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国立競技場の全容公開 大会後は負の遺産?

2019年12月16日 19:26
国立競技場の全容公開 大会後は負の遺産?

来年の東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムとなる国立競技場が公開された。観客席とフィールドが近く一体感が楽しめるほか、大型送風機が設置されるなど夏の大会を意識した工夫が施されている。

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東京・神宮の杜に浮かび上がる大きなドーナツ型の白い屋根。東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアム、国立競技場。開幕まで220日余りとなった15日、竣工式が盛大に行われ、その全容が明らかになった。

建築家・隈研吾さんの設計で、47都道府県の国産木材がふんだんに使用された別名「杜のスタジアム」。3層に分かれたおよそ6万の観客席。選手を間近に見ることもできる。緑や茶色などランダムに塗ることで空席が目立ちにくい工夫も。さらに、LGBTの人の利用を想定したトイレも設置されている。

懸念される「暑さ対策」には、大型の送風機185台を設置。競技場内に熱がこもらないよう、客席からフィールドに向けて風が流れる設計となっている。

開放的な最上階の5階部分には、散策スペースも。東京の町並みを見渡しながら1周およそ850メートル、ぐるりと歩くことができるつくり。

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建設費およそ1569億円をかけ完成し、大会ムードが高まる一方で大会後の使い道を心配する声も――

国立競技場は大会後、運営権を売却して、球技専用の競技場にする予定だが、年間24億円の維持費のほか改修費用もかかるため、今のところ名乗りを上げる事業者がいない。

実は過去にも――。

1998年の長野オリンピックで使われたソリ競技場の「スパイラル」。映画のモデルとなったジャマイカのボブスレーのチームが話題となり多くの観客でにぎわったが、いまでは外壁も劣化してボロボロの状態に…。

長野市担当者「(維持管理費で)市の負担は年間1億2000万円でした。維持管理に経費がかかること、競技人口が少ないことで、製氷の休止に至りました」「開催前に100%完璧な(後利用)計画は難しいのかな」

維持費がネックとなり、今はウオーキングコースとなっていた。

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そして東京でも…。567億円が投じられた水泳競技の「東京アクアティクスセンター」。大会後、年間の収支は6億3800万円の赤字が。また、カヌー・スラロームコースも年間1億8600万円の赤字が想定されるなど、都が新たに作る6会場のうち5会場は収支が赤字の見通しで、「負の遺産」になりかねない状況。都の担当者は――。

東京都オリンピック・パラリンピック準備局 開設準備担当・鈴木研二部長「施設ごとになるべく稼働率を上げて、収益を上げることにも取り組んでいく。(大会施設の)ネーミングライツの販売を通して収益改善していきたい」

「負の遺産」を残さないため、更なる知恵と工夫が求められる。

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