「運輸は文明へのアクセス」石原氏が死去
東京都知事などを務めた石原慎太郎氏が亡くなりました。89歳でした。
死去した石原氏は運輸行政に精通していることでも知られていました。1978年に開港した成田空港。実は、開港当初、ターミナルと直結した鉄道の駅はなく、当時は、「世界一首都から遠い国際空港」との評判もありました。
しかし1988年、当時運輸大臣だった石原氏は、空港直下に新駅を設置する構想を発表。3年後にJR東日本の成田エクスプレスと京成電鉄のスカイライナーの乗り入れが実現することになりました。
また東京都知事に就任した石原氏は、「東京にろくな空港がないから首都東京がダメになる」と航空政策に力を入れました。
羽田空港の国際化を国に働きかけ、以前の「国際線は成田空港」「国内線は羽田空港」というすみ分けを事実上撤廃するきっかけをつくりました。
またアメリカ空軍横田基地が管制をしていた空域の一部返還にも取り組みました。さらに都知事時代には、ディーゼル車の排ガス規制も進めました。
ある国土交通省の幹部は、石原氏が運輸大臣時代に残した「運輸は文明へのアクセス」という言葉が省内で語り継がれていると話しています。