なぜ? 都内の路上に“謎のキーボックス” 「内覧客をスムーズに…」不動産会社社長を書類送検
東京・中央区の各所に取り付けられた「キーボックス」。本来、玄関の取っ手などに取り付け、中にカギを入れて共有できるものですが、こうしたキーボックスを柵に取り付け東京都の業務を妨害したとして、不動産会社の社長が書類送検されました。
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高層マンションが立ち並ぶ東京・中央区の勝どき・晴海地区。この地区で今年6月…
記者
「ありました、キーボックス」
歩道の鉄柵や電柱などに、カギなどを中に保管するキーボックスが、路上に取り付けられる問題が発生。この日の取材では、“謎のキーボックス”を勝どき・晴海地区の8つの場所で見つけ、あわせて14個を確認できました。
警視庁によると、今年5月以降には、「キーボックスがある」などと住民からの申し出が相次ぎ、警視庁は、多いときには約30個のキーボックスを確認したといいます。
地域の住民
「怖いですね。不気味な感じ」「すごくいっぱいあるので…」
住民を悩ます“謎のキーボックス”問題。取材から5か月以上たった27日、新たな展開が。東京・港区に住む不動産会社社長の男性(52)が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたのです。
警視庁によると、男性は今年6月上旬ごろ、中央区晴海の歩道にある鉄柵にキーボックス1個を取り付け、7月19日までの間、東京都に警告文を掲示させたほか、実際に撤去作業をさせるなどして、都の業務を妨害した疑いがもたれています。
キーボックスが設置された場所の近くには、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地のマンション群「晴海フラッグ」があり、男性はキーボックスの中に自身の不動産会社が保有する「晴海フラッグ」の部屋のカギを入れていたといいます。
任意の調べに対し、男性(52)は「不動産業界で、常識になっていた」「内覧で来た客をスムーズに案内するために付けた」「晴海エリアは管理組合が厳しく、マンション内にキーボックスを付けるのが難しいため、近くの鉄柵に付けた」などと、容疑を認めているということです。
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“謎のキーボックス”問題は、今どうなっているのでしょうか。27日に改めて6月に取材した場所を巡ると…
記者
「ここにキーボックスがあったが見当たらない」
他の場所では…
記者
「ありますね。6月のときと同じものと思われるキーボックスがまだ設置されたまま。取り外しお願いの紙も貼ってある」
別の場所でも…
記者
「場所が変わってますね。数が1個になっています」
6月、8か所で見つけた路上のキーボックスは、27日は3か所で、あわせて3つになっていました。
ただ警視庁によると、夏以降10個未満になったキーボックスの数が、今月に入ってから10個以上に増えているということです。
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警視庁や施設管理者は、自主的に撤去するよう呼びかけを続けています。