マツタケ似で値段10分の1 どんなキノコ
秋の味覚の王様マツタケ。手を出すにはちょっと高いなと感じる人も多いのではないだろうか。そのマツタケにそっくりだというキノコが人気を集めている。値段はマツタケの10分の1ほど。一体、どんなキノコなのだろうか―。
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24日、デパートの野菜売り場に並ぶ、秋の味覚の王様マツタケ。欲しいけどなかなか手が出せないという。そんな中、人気沸騰中だというあるキノコが愛知県新城市の道の駅で売られていた。お客さんが興味津々に手を伸ばし、補充をしても次々と売れていく。
お客さんのお目当ては“マツタケのようなキノコ”。その名はマツタケならぬ「松きのこ」。マツタケと比べてみると、確かに色や形が似ている。値段は1パック500円。店によると、国産のマツタケと比べると10分の1ほどの値段だという。
もっくる新城・田原直駅長「キノコ類いろいろ種類があるんですけど、その中で一番でして」「普通に出しているキノコの3倍から4倍は売れていると思います」
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松きのこはどのように栽培されているのだろうか。栽培されているのは山ではなくハウスだという。薄暗いハウスの中で栽培され、部屋の中は常に18℃前後に保たれているという。
生のままでも食べることもできるということで、食べてみると―。
記者「ほのかにマツタケの香りが口の中に広がって、味はシイタケのうまみを凝縮した感じですね」
一番お勧めだというのは、さっとあぶった炭火焼き。
記者「焼くことによって香りはマツタケにより近くなって、食感はほとんどマツタケですね」
マツタケのような香りがする「松きのこ」。しかし、マツタケとは種類が違うキノコだという。
鳳来寺山麓きのこ園・中田靖人さん「もともとシイタケを改良して作ったものです。シイタケの中から突然変異で出たものを、長い年月かけてよりマツタケに近いものを選別して、ここまで作り出してきたもの。広島の世羅というところで作り出されたものなんですけど」
松きのこを開発したのは広島県世羅町の世羅きのこ園。世羅町は日本でも有数のマツタケの産地だが、松食い虫の異常発生などでマツタケが減ってしまったという。そこで、世羅きのこ園によると20年以上前にマツタケに代わるキノコを人工栽培したいとシイタケを品種改良して松きのこを作ったのだという。
しかし、松きのこは温度や湿度に敏感で管理が難しいため、生産が追いついていないという課題もあるという。
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マツタケにそっくりなのは松きのこだけではない。その名は「バカマツタケ」。ブランドものの国産マツタケに味・香りともに劣らないともいわれ、森林総合研究所と奈良県森林技術センターが人工栽培に成功した。バカマツタケを人工栽培しているのは標高およそ850メートルの秘密の栽培地。
香りはマツタケよりも強いとも言われ、希少なためこれまでごく一部の地域にしか出回っていなかったという。さらにこのバカマツタケの人工栽培を巡っては、兵庫県加古川市にある企業も今月、成功を発表。3年後を目標に、バカマツタケの安定供給を目指しているという。
将来、マツタケに代わるキノコが手頃な値段で食卓に並ぶ日が来るかもしれない。