広島市で戦争の恐ろしさを肌で感じる企画展 鳥取市に住む男性が自然洞窟「ガマ」の独自調査や遺骨収集での遺品を展示 直接触れて戦争を身近に
終戦から8月で79年。鳥取市に住む男性が広島で、悲惨な戦争を後世につなぐための企画展を行いました。展示会を通して、伝えたいこととは。
戦時中、庶民が使っていた防災頭巾に、戦地へ行く兵士の無事を願った寄せ書き。8月26日まで広島市で行われていた戦争展。その会場の一角で展示していのがー。
清水章宏さん
「追い詰められた海岸の奥の崖の下なんかに遺骨が残ってたりするんです」
鳥取市に住む、清水章宏さん。「沖縄戦の実相」をテーマに、火炎放射器で焼かれ、変形したガラス瓶や、砲弾の破片など、沖縄で見つかった戦争遺品や写真を展示しています。
鳥取市在住 清水章宏さん
「戦争しているところ、実際命の危険の中で暮らしている人がいるんです。だけどそれを映像の中で見るだけでいわゆる対岸の火事のようにだんだん見てしまう。戦争がいかに怖いものなのかを感じてもらいたいと思います」
実は清水さん、20年以上にわたり自費で沖縄へ。旧日本軍の兵士や民間人が防空壕などとして使っていた沖縄の自然洞窟「ガマ」を独自に調査しています。
清水章宏さん
「これ当時のゴムか革か兵隊の装備品の一部だと思います」
ガマには今も、当時の遺品が多く眠っています。こうした遺品やガマの構造などを調べることで、ここで何が行われていたのか戦争の実相を知ろうとしているのです。これまで調査してきたガマは、200か所以上。さらに3年前から、沖縄で行われている遺骨収集のボランティアにも参加しています。
今回の展示会では、遺骨収集ボランティアから譲り受けた戦争遺品などを展示。「戦争の恐ろしさを肌で感じてほしい」という思いから、展示物には直接触れられるようにしています。
訪れた人
「これ(砲弾)が降ってきたら嫌だろうなって」
「実際にモノに触れたりっていうことは普段なかなかできないので、当時のものを、重さのこともそうですけど、触ってより実感できるっていう点では良い展示だなと思いました」
さらに、集めたレプリカを使って、兵隊の装備を体験できるブースも。重さはおよそ30キロ。これを持ちながら、25km以上の距離を歩いて移動していたとされています。
清水章宏さん
「本物を触ってみる、本物の重たさ・冷たさ・怖さそういったものを感じてもらって、戦争というものが自分の身に降りかかったらどうなるのか、というのを感じてもらいたいと思います」
清水さんは11月にも沖縄へ。今後も展示会などを通して、戦争について知ってもらう活動を続けていくということです。