【最先端】“イチゴ自動栽培システム”を菓子メーカー「春華堂」が導入…ロボットが担う栽培技術とは(浜松市)
東大発の新興企業が「イチゴの自動栽培システム」を開発し、浜松市の菓子メーカー「春華堂」が導入することを発表しました。全てロボットが担う最先端の栽培技術とは?
真っ赤で甘いイチゴ。これを、自動で効率よく栽培するシステムが、浜松にできました。先週、浜松市内で会見を開いたのは、東大発のスタートアップ企業「HarvestX」です。イチゴの自動栽培システム「浜松ファーム」の開設を発表しました。
(HarvestX 市川 友貴 社長)
「なぜイチゴかというと、シンプルに私がイチゴが好きだったんですね。ロボットを作りながらイチゴを食べたいなと思ったのが最初のシンプルな理由です」
5月、浜松市中央区のビルに整備された「浜松ファーム」。管理された室内で自動で栽培するシステムの特徴は…。
(西尾 拓哉 記者)
「イチゴの栽培過程で一番難しいとされる授粉の作業をロボットが行うことで、より効率的な栽培が可能になったといいます」
イチゴは、ハウス栽培の場合、ミツバチが蜜を吸い花粉を集める過程で授粉されますが、形が不ぞろいになったり、天候に左右されたりするリスクがありました。
「浜松ファーム」は、ロボットに搭載されたカメラが人工知能=AIでイチゴの花の位置や向きを認識して、授粉を行います。
これにより、年間を通して安定して栽培することが可能になったといいます。会見には、このシステムの導入を決めた「春華堂」の山崎貴裕社長や、「HarvestX」を支援した、浜松市の中野市長と「浜松いわた信用金庫」の高柳理事長も出席しました。「春華堂」は、2025年4月をめどに、浜名区で運営する「nicoe」にイチゴの自動栽培システムを導入し、年間700キロほどの生産を目指す予定です。
(春華堂 山崎 貴裕 社長)
「革新的な農業方法で、こういうようなものが世の中に増えていくといいことだろうと思いました」「ケーキに加工したり、イベントなどでイチゴを食べていただくなど、基本的には春華堂、ニコエの中で全て使おうと思っています」
(HarvestX 市川友貴 社長)
「リンゴやブドウ、コーヒー豆も海外から(問い合わせが)くる」「屋外やハウス栽培での授粉は課題として挙がっています。そういった作物は、中長期的には、応用の幅を広げていきたいと思っています」
浜松で開発されたイチゴの自動栽培システムは、農作物の新たな栽培方法として注目されています。