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【速報】徒然草の筆者・吉田兼好ゆかりの「正圓寺」元住職の男に懲役2年6か月の実刑判決 大阪地裁 寺の土地売買装い虚偽登記した罪

2024年10月7日 10:11
【速報】徒然草の筆者・吉田兼好ゆかりの「正圓寺」元住職の男に懲役2年6か月の実刑判決 大阪地裁 寺の土地売買装い虚偽登記した罪

「徒然草」の筆者・吉田兼好とゆかりがある大阪市阿倍野区の「正圓寺」の土地を売買したように見せかけてウソの登記申請をした罪などに問われる元住職の男について、大阪地裁は7日、懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

■老人ホーム建設で多額の借金 差し押さえ免れようと犯行か

 辻見覚彦被告は2018年、不動産会社の顧問だった男らとともに、住職を務めていた大阪市阿倍野区にある「正圓寺」が所有する土地の一部を売買が成立したように装いウソの所有権移転の登記をした罪に問われています。

 また、不動産会社から金を借りていると偽って寺の口座に預けられていた供託金2200万円あまりをだまし取った罪などにも問われ、辻見被告はいずれの起訴内容も認めていました。

 辻見被告には特別養護老人ホームの建設をめぐって多額の負債があり、土地を差し押さえられないよう、一時的に所有権の移したとみられ、検察側は、「財産の差し押さえを免れるため犯行に及んだ」などと指摘し、懲役4年を求刑していました。

■大阪地裁「犯行には元住職の被告が不可欠、被害弁償もされていない」

 7日の判決で大阪地裁は、「ウソの登記申請を繰り返して登記制度の信用を大きく損なった上、ウソの書類を作成して裁判所に提出し、財産の差し押さえ命令を出させ供託金をだまし取ったのも司法制度を悪用した悪質な犯行」と指摘しました。

 さらに「被害の弁償も一切されていない。『寺を守りたい』という動機があったとしても、犯行は正当化されない。主導的な立場ではないが、いずれの犯行についても正圓寺の元住職である辻見被告が不可欠だった」として、辻見被告に懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

 正圓寺は、平安時代中期の天慶2年(939年)に光道和尚によって建立されました。「つれづれなるままに…」の書き出しで知られる「徒然草」の筆者・吉田兼好が隠居したゆかりの寺としても知られ、境内には庵の中で藁(わら)を打ったとされる石が残り、大阪市の史跡にも登録されています。本尊には「大聖歓喜双身天」が祀られ、「天下茶屋の聖天さん」とも呼ばれています。

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