ロマンス詐欺の被害救済をうたい、弁護士資格のない業者に名義を貸した罪に問われている弁護士の男の裁判で、大阪地裁は18日、懲役2年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

　弁護士の川口正輝被告（39）は、2022年12月以降、広告会社に弁護士名義を貸して法律事務をさせた罪に問われています。

　これまでの裁判で、川口被告は「間違いありません」と起訴内容を認めていました。

　一方、検察側は「ロマンス詐欺の救済をうたい被害者から着手金をだまし取り、二次被害を与えて利得を得た卑劣な犯行だ」として、懲役2年を求刑しました。

　18日の判決で、大阪地裁は「継続的に名義を利用させ、犯行は組織的かつ大規模に行われたものであり、弁護士に対する信頼を損なう悪質なもの」と指摘しました。
　一方で、「反省の態度を示していて、弁護士会から懲戒処分を受けるなど社会的制裁も受けている」などとして、川口被告に対し、懲役2年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

　大阪弁護士会は、川口被告が共犯者とともに1800人の依頼者から9億円を超える着手金を受け取っていたとして、業務停止2年間の懲戒処分としています。