【速報】斎藤知事が最後の証人尋問へ ”告発文問題”調査の百条委始まる 午後からは斎藤知事の最側近の片山元副知事が証人として出席、なに語る?
兵庫県の斎藤元彦知事の“パワハラ”疑惑などを調査する県議会の百条委員会が25日、兵庫県庁で始まりました。
午前は公益通報制度に精通した弁護士が参考人として招致され、午後1時からは斎藤知事の最側近だった片山元副知事が証言し、そのあと、斎藤知事に対する「最後の証人尋問」が実施されます。
■斎藤知事の3回目の“最後の証人尋問”始まる
斎藤知事への証人尋問は午後3時から始まりました。斎藤知事は落ち着いた様子で百条委員会の会場に現れ、証人の席に座り、尋問が始まりました。まず委員からは、今年3月に告発文書を把握した当初、知事の側近の幹部とのやりとりについて聞かれると、斎藤知事ははっきりとした口調で「(幹部とやりとりをした)そのような記憶はありません」と答えました。
続いて、別の委員は、過去の証人尋問で斎藤知事が「告発文書は民間から入手した」と発言したことを受け「その民間とは誰なのか?」と尋ねた際に、知事が「それは後ほど事務局に言います」 と発言したままその後、事務局に報告がなかったことに触れ、改めて「(文書を入手した“民間”とはいったい誰なのか?」と尋ねましたが、斎藤氏は「それについては後で事務局に言います」と、前回とまったく同じ回答をしました。また、告発した幹部に対する処分について、知事が当時の総務部長に前倒しでの処分を求めた際に、「知事が“風向きを変えたい ”と話していた、という証言があることについて聞かれると、「“風向きを変えたい ”と言ったことはない」と話し、ここでも自らの発言について他の証人の証言内容を否定しました。
■片山元副知事が証人として3回目の出席 過去の百条委での聴き取りの際には『告発は公益通報者制度の対象だとは思わず』
午後1時半からは斎藤知事の当時の最側近の一人である、片山安孝 元副知事が再び証人として出席しました。
今年9月の百条委員会では、片山氏は告発文が今年3月に一部のマスコミなどに配布された際に、公益通報者保護法が禁止する告発者の特定をした理由について、「3月21日に知事に呼ばれ、告発文書の現物を見せられた。知事からは(誰がどのような目的でこの文書を出したのか)‟徹底的に調べてくれ”と言われた」と述べていました。
その際にどう感じたかについては、「(告発文書には)知事のパワハラが含まれていたので、これはやっかいなことになるなと思った」と話しました。
元幹部による告発文書については、当初から文書の存在を知る複数の幹部職員から、第三者委員会を立ち上げるべきだという意見が多く出たにもかかわらず、内部調査となったことについては、『第三者委員会について(別の幹部が)知事に確認すると、知事に「時間がかかるよね」と否定された』と明かしたほか、自身の文書への第一印象については『文書には「クーデター」「革命」などの文字があり、(告発者には)斎藤県政に対するダメージを与える認識があるのではと思った。知事を排除しようとしている不正なものなので、早く見つけないといけないと思った』と証言しました。
文書が告発者の個人情報を保護する「公益通報者保護制度」の対象になるとは思わなかったのか?との問いかけには、『そうは思 いませんでした』と述べていました。
■午前は公益通報制度に精通する弁護士が証言「県の対応は通報者の不利益にしないという大前提からすると疑問」
午前は米ニューヨーク州の弁護士資格を持ち、公益通報制度や、内部通報についての本を複数執筆している「のぞみ総合法律事務所」の結城大輔弁護士が参考人として招致され、公益通報者保護に関する意見を述べました。
結城弁護士は、告発文書で指摘された“7つの疑惑”や告発文を作成した県の元幹部を公益通報制度の保護対象とするべきだったかどうかについて、『(公益通報制度では)“通報者の不利益になるような取り扱いはしない”というのが前提。その点、今回の県の対応は、告発者に不利益な扱いをしたということになる のではないか』として、告発者の元幹部を懲戒処分とした県の対応などに疑問を呈し、保護対象とすべきだったとの見解を述べ ました。
■発端となる告発文書がマスコミなどに配布されてから約9か月 激動の1年となった兵庫県
「最後の証人尋問」では斎藤知事や片山副知事が、それぞれ告発文書で指摘された”7つの疑惑”や告発文を作成した県の元幹部を公益通報制度の保護対象とするべきだったかどうかなどについて尋問が実施されます。
注目の証人尋問を傍聴しようと、県庁には朝から100人を超える市民らが列をつくり、「これまで弁護士など第三者から説明すると繰り返してきたので、自分の口で語ってほしい」「憶測が多く、何が真実かわからなくなっている。真実が明らかになることを期待する」「百条委員会はバッシングに負けずに、真実の究明を頑張ってほしい」と話しました。
■これまでの参考人招致 「独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図」過去には参考人の大学教授が断罪
百条委員会ではこれまでに公益通報制度の専門家として弁護士や大学教授らを招致していて、9月6日の委員会では上智大学の奥山俊宏教授がで県の一連の対応について、「公益通報者保護法に違反する」と指摘し「独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図を描いてしまった」と断罪しました。
■「確証までは得られなかった」県内部の調査とは違う結果の可能性も?百条委員会、第三者委員会が来年、立て続けに結果公表へ
12月11日、元幹部が4月に行った公益通報に対する県の調査結果が公表されました。
その中で県は、知事が受け取ったとされる贈答品に関して受け取りが職員個人の判断に委ねられていた点が問題だとしたほか、贈答品ではなく貸し出しだったものの貸し出し期間を定めた書類が無かったため、贈答品との誤解を受けた場合があったと指摘。“パワハラ”疑惑については、「業務上の必要性から強い口調で指導することがあった」としたうえで、「パワハラと認められる事案があったとの確証までは得られなかった」と結論付けました。
一方、25日の証人尋問で一連の調査を終える百条委員会は2025年2月に、弁護士で構成される第三者委員会は3月に、それぞれ調査結果を公表する予定です。