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【特集】変わる刑罰の仕組み 出所後の生活・仕事は?教育プログラムや会社説明会も 社会復帰に必要なこととは

2025年2月27日 17:18
【特集】変わる刑罰の仕組み 出所後の生活・仕事は?教育プログラムや会社説明会も 社会復帰に必要なこととは

受刑者の再犯を防ぎ、社会への確実な復帰を促すため、今年6月、115年ぶりに刑罰の仕組みが変わりますが、その新たな仕組みが導入されたあとも変わらない課題は、受刑者が出所したあと、どう生活や仕事をしていくかです。

出所したあとに罪を犯し、再び刑務所に入った人の7割あまりが、無職だったという統計もあります。

刑務所内部では、実社会での生活や就職を見据えた指導・教育が続けられていますが、受刑者からは、出所したあとへの不安の声も聞かれました。

■二度と過ちを犯さないため…教育プログラムで学ぶこととは

受刑者の1日の生活の中には、約30分、運動などをして過ごせる時間が設けられています。

また、年に数回、受刑者それぞれが担当する作業場所ごとにつくるチームで、卓球やボッチャなどの実力を競う体育大会も開かれています。

運動に励む人もいれば、歌に励む人たちの姿も。

「季節はずれの港町~あぁ私の影だけ~カモメが翔んだ~カモメ~が翔んだ~♪」

出所後の生活や仕事で、役に立つこともあります。

時間や場所に縛られず過ごし、二度と実社会で過ちを犯さないようにするため、受刑者たちは、地道な努力も続けていて、教育プログラムへの参加も、その一つです。

約半年間にわたり行われる教育プログラムは、薬物依存症を回復させるため、その方法に詳しい講師から指導を受けるものです。

秋田刑務所では、全国に拠点を持つ民間の支援・リハビリ施設「ダルク」の県内のスタッフが、講師を務めています。

秋田ダルク 大澤正樹さん
「まぁ“ヤク中”はね、正直、待たせるけど待つのは嫌い。自分は約束守らないけど、相手がね、守らなかったときにすごい怒ったりもしますし」

自らも依存症の当事者だったダルクのスタッフから、受刑者がこの日学んだのは、「怒り」や「いらだち」の感情を抑えるために持つべき考え方や、とるべき行動についてです。

受刑者が、現在、あるいは今後直面しうる様々な場面の中で、どのように感情をコントロールすればよいのか、それぞれが考えをまとめ、発表し合いました。

受刑者
「状況が『薬物を取りに行って待たされた』。悪い捉え方は『何かあったのかな?早く来いよ』じゃないですか…いい捉え方ですよね?」
ダルク・大澤さん
「そうですね」
受刑者
「『待つならいいや、きょうは薬物を打たない一日にしよう』」
ダルク・大澤さん
「その日薬物やらなくて済むんですから。よし、きょうからやめようというきっかけになるかもしれないから」

秋田刑務所では、薬物のほか、ギャンブルやアルコールの依存症からの回復を目指すための教育プログラムも行われています。

かつての過ちを悔い改め、正しい道を歩き出すため、受刑者たちは、そうした教育プログラムに参加しながら、それぞれに課せられた、様々な製品づくりなどの日々の作業も同時に続け、実社会に適応するための能力を身につけています。

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■過去に何度も刑務所に…50代受刑者が語る 日常生活の難しさ
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