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世界が注目する空の移動革命!水面の離着陸を目指す「空飛ぶカヌー」とは?

2024年7月3日 16:35
世界が注目する空の移動革命!水面の離着陸を目指す「空飛ぶカヌー」とは?

世界で開発競争が激化する“空飛ぶクルマ”。その競争に、岐阜県飛騨市のベンチャー企業も参戦。水面でも離着陸ができる、“空を飛ぶカヌー”の開発の模様を取材しました。

世界中が注目する“空飛ぶクルマ”の開発

山々に囲まれた岐阜県飛騨市。『白銀技研』では、ある夢の乗り物が開発されていました。部屋のなかにあったのは、全長約3.5m、重さ175㎏の大きな黒い物体。

「空飛ぶカヌーというような感じで作っています」と、黒い物体を紹介するのは『白銀技研』の西洋介さん。実はこの黒い物体こそ、『白銀技研』が開発している“空飛ぶクルマ”なのです。

今世界ではアメリカの企業だけでなく、中国やドイツ、日本の企業も含めて、“空飛ぶクルマ”の開発競争が激化。どの“空飛ぶクルマ”が世界を席巻するのか注目されています。

この競争に割って入ろうと開発を続けているのが、岐阜県飛騨市の『白銀技研』。開発担当者の『白銀技研』の西さんは、開発の理由について、「もともとロボットの設計者になりたかったというか、小さいころからの夢。ロボットコンテストに出たり、ものづくりはずっとやってきました」と話します。

水の上でも離着陸できる“空飛ぶカヌー”

高山市で生まれ、ロボットに魅了された西さん。学生時代には、ロボットコンテストに挑戦するなど熱中していきました。電気エンジニアとして大手電機メーカーに就職後、地元の工作機械メーカーに転職し10年勤務。

自分好みにカスタマイズできるキーボード「keyboll(キーボール)」を開発すると、プログラマーやライターなどに大ヒット!現在は独立し、その売り上げを惜しむことなく、“空飛ぶクルマ”の開発費用にあてているそう。

カヌーのような形をした西さんの“空飛ぶクルマ”。その形の狙いについて、「“空飛ぶクルマ”なんですけど、水の上にも浮かぶように設計したくて、少し湾曲させて、水の上に着水、水の上から離陸できる形状を目指してこういう形状になっています」と西さんは明かします。続けて、「津波からの避難や水害救助の場面で、水の上に着水できた方が良いかなと」と理由を話しました。

西さんが目指しているのは人が乗り、水の上でも離着陸できる「空飛ぶカヌー」。しかし課題となるのが、その重さ。70㎏のダミー人形を含めて、現在の総重量は245㎏。例えるなら、大型冷蔵庫2個半分を浮かせなければなりません。

そのため、西さんは1本あたり55㎏のものを持ち上げられるプロペラを8つ配置。4分の1スケールの試作機で実験を重ね、約1年半、開発に取り組んできました。

テスト飛行で4分超のホバリングに成功

今月初めて、福島県南相馬市にて、実際に人が乗れる大きさの機体で、“空飛ぶカヌー”のテストフライトが行われました。テストパイロットを務めるのは、ドローンのベテランパイロット・山﨑裕考さん。そんな山﨑さんも、「ドローンを長くやっているが、このサイズは飛ばしたことがない」と話します。

ダミー人形を乗せた、総重量245㎏の機体がゆっくりと浮き上がります。テストフライトでは、合計4分15秒のホバリングに成功。「ホッとしました。完成したときはこんなでかいの浮くかなと思っていましたが、予定通り浮上したので一安心」と、テスト結果に西さんは安堵の表情を浮かべました。

『白銀技研』によると、“空飛ぶカヌー”は実用化に向けて、今年中には実際に人を乗せたテストフライトを実施。開発を進めていく予定だそう。今後の展望について西さんは、「やはり人が乗ってこそ、“空飛ぶクルマ”だと思いますので、今後試験飛行を重ねて、絶対に安全というもとで、実際に乗って空を飛んでみたいと思っています」と語りました。

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