「巨大地震注意」で私たちの生活はどう変わる?家庭で実践するべき“4つの備え”
南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」発表から、1日が経とうとしています。今後一週間程度、巨大地震への注意が呼びかけられていますが、どう行動すべきか、対応に迷うところ。中京テレビ防災担当・山田元気デスクが、各家庭で“備えるべきこと”を解説しました。
2024年8月8日午後4時43分、宮崎県日南市で最大震度6弱を観測した地震。気象庁は、8日夜、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を初めて発表しました。この発表を、東海地方はどのように受け止めればいいのでしょうか。
静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘まで広がる、南海トラフ地震の想定震源域。8日に発生した地震は、想定震源域内に位置する日向灘を震源としており、深さは31㎞、地震の規模を示すマグニチュードは7.1を記録しました。
8日に行われた評価検討会の結果、今回の地震の規模が「M7.0以上」と評価。想定震源域のなかでマグニチュードが基準を満たしていたことから、“同規模程度の地震が起きる可能性が相対的に高まっている”として、気象庁は「巨大地震注意」を初めて発表しました。
南海トラフ地震臨時情報では、「巨大地震注意」の1つ上に、沿岸部などで事前避難が必要となる「巨大地震警戒」というレベルが存在。今回発表された「巨大地震注意」は「巨大地震警戒」より“下のレベル”のため、事前避難などの行動は必要ないといいます。
1週間以内に巨大地震が起きる頻度は“低い”
「同規模程度の地震が起きる可能性が相対的に高まっている」と判断した評価検討会。しかし、発生の可能性は具体的に、“どのくらい”高まっているのでしょうか。
山田デスクは、過去に発生したマグニチュード7以上の地震発生回数を用いて、その可能性について解説しました。
今回のようにマグニチュード7以上の地震が発生した回数は、過去に世界で1437事例。このうち、1週間以内にマグニチュード8以上の地震が、同じようなエリアで発生した回数は、わずか6事例だったといいます。
“数百回に1回程度”に発生していた事例をふまえ、同じようなエリアで1週間以内にマグニチュード8クラスの巨大地震が起きる頻度は、極めて低いことを説明しました。
8日行われた会見にて、「平時より発生の可能性は数倍程度高まったが、決して慌てることなく、落ち着いて普段通りの行動をしてほしい」と、今後の生活のついて呼びかけていた気象庁。
山田デスクも「落ち着いて普段通りの行動をとることが大切」と話し、「ただ1週間は、家具を固定するなど、日頃からの地震への備えを再確認することが必要です」と、来週木曜日までの過ごし方について述べました。
南海トラフ地震に対して、東海地方の私たちはどのような“備え”が必要なのでしょうか。山田デスクは、“4つの備え”を挙げます。
1つ目は、避難場所・避難経路の確認。南海トラフ地震発生時、三重県尾鷲市では地震発生から4分後に1メートルの津波、名古屋港では108分後に1メートルの津波がくることが想定されているといいます。自宅付近はもちろん、帰省や旅行等で訪れる地域のハザードマップを確認することで、自分がいる位置からの避難場所・避難経路を把握しておきます。
2つ目は、家族の“決め事”に関する話し合い。災害時は携帯電話が繋がりにくく、家族同士で連絡が取れない可能性があります。お互いの安否が確認できるように、集合場所などを事前に決めておくことが大切です。
3つ目は、食料や水の備蓄の確認。ライフラインが止まっても、自力で生活できるように、普段から食料や飲料水などを備蓄しておくことが大事。「7日分程度の食料や飲料水などを備蓄しておくといい」として、現時点で備えが“足りているか”確認するとよいでしょう。
4つ目は、大きな家具の下敷きにならないよう、L字型の金具やワイヤーで家具を固定すること。すでに固定している人は、固定箇所がゆるんでいないか再確認しておく“備え”が必要となります。
気象庁から初めて発表された、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」。避難場所の確認や備蓄の再確認などを通して、巨大地震に“備える行動”をとると同時に、「落ち着いて普段通りの行動を行うこと」が大切なのです。