園と小学校が『新1年生』をサポート!小学校教諭の幼児教育参観を実施、“小1プロブレム”解消にも期待「新1年生がなめらかに小学校教育に移行できるようにしたい」 愛知・豊橋市
文部科学省では、幼保小が意識的に協働して「架け橋期」の教育を充実させることを推進。幼児教育施設においては、小学校教育を見通して「主体的・対話的で深い学び」などに向けた資質能力を育み、小学校においては、幼児教育施設で育まれた資質・能力を踏まえた教育活動を実施することを推奨しています。
そんななか、愛知県豊橋市では、今年度から小学校教諭の幼児教育参観を実施。小学校教諭が幼児教育・保育参観を通して、幼稚園・保育園・こども園から学びが連続していることを知ることで、園と小学校との“接続”について理解を深め、次年度の新一年生を迎え入れる体制に生かすことを目的としています。
実施方法としては、まず豊橋市教育委員会が市内85園に対して、小学校教諭の幼児教育参観の受け入れについて調査。受け入れ可能な園を学校に知らせ、各校より園に参観の申し込みを行います。
小1プロブレム等の課題により、小学校低学年の不登校が増加傾向にある現代。幼児教育と小学校教育では、様々な違いを有することから、同市教育委員会は園と小学校との交流を増やし、互いの考え等を理解しながら教育を考えていく必要があると判断。同市教育委員会の担当者は、「新1年生がなめらかに小学校教育に移行できるように、豊橋市としてできることから始めていきたい」と、幼児教育参観への思いを語りました。
今年9月19日、市内にある認定こども園『老津保育園』にて、『老津小学校』の教務主任、2年生担任の2名が幼児教育参観に参加。朝の会終了後、廃材を使った工作やお絵かきなど、“自分が形にしたいこと”に一生懸命に取り組む子どもたちの様子を参観しました。
参加した教務主任は、「小学校の生活科にも結びつくような取り組みも多く、保育園の経験や体験が学びにつながっていくことがよくわかった。子ども自ら考えて決めて活動している姿から、小学校と大切にしていることは同じだと強く感じた」と振り返り、2年生担任は「子どもたちが主体的に遊びに取り組む姿を小学校でもつながるように、授業を作っていきたい。今後も連携を続け、お互いに子どもの育ちを大切にした取り組みができるようにしていきたい」と今後の展望を語りました。
幼児教育参観後は、同園の保育士と情報交換会を実施。参加した保育士は、「小学校低学年では、生活によった流れになっていることも多く、園での生活とつながっていることが改めてわかりました」「子どもたちの主体性を大切にした取り組みが情報交換会を通して共有され、深めていけるといいと思いました」と話し、双方の教育について理解を深める場となりました。