鬼師27人で制作”瓦製巨大シャチ”が老朽化で修復へ GCFで修復費用を募る 伝統技術と文化の継承に期待 愛知・高浜市
このシャチのモニュメントは、名古屋城の金シャチをモデルにした高さ約3.3メートルの巨大な作品で、約4.5トンの粘土を使用して作られました。制作に携わった「鬼師」と呼ばれる鬼瓦職人によると、技術伝承や産地発展のためには職人同士の交流が必要という思いから、鬼師27人が集結し、約7か月かけて完成させた力作だということです。
公募によって名付けられた愛称は、正面から見て左がオスの“ソラちゃん”、右がメスの“ユメちゃん”。
「かわら美術館」の開館にあわせ、市のシンボルとして1995年に設置されましたが、約30年が経過し、口やヒレ部分のひび割れや全体的な色褪せが目立つようになり、伝統技術を未来へ残したいと、市は修復に向けて動き出しました。
修復費用にGCFを活用する理由について、市の担当者は「瓦は日本家屋のシンボリックなもの。高浜市はその瓦で発展してきた町。GCFを活用することによって、瓦の良さや高浜市の文化を広く知ってもらうことにもつながる」と話します。GCFとは、クラウドファンディング型のふるさと納税のことで、具体的な使い道を選択して納税することが可能。控除手続きは通常のふるさと納税と同様です。
目標金額は350万円で、申込期限は2025年1月31日まで。協力した人の名前は銘板に刻み、瓦製巨大シャチと一緒に後世に残るといいます。
市の担当者は「瓦には日本のものづくりの魂が込められている。次の世代へ残していくためにも協力をお願いしたい」と呼びかけています。