258ヤードを飛ばすドライバーショットが武器! 女子高生アマチュアゴルファー 挫折乗り越えプロツアーに初挑戦!
豪快なドライバーショットが魅力 データ分析と変身ベルトで飛距離アップ!
5月7日、愛知県岡崎市の岡崎城西高校を訪ねると、この春、入学したばかりなのに学校中で話題になっている注目のアスリートがいました。内田心菜選手、岡崎市出身の高校1年生です。
彼女の正体は、期待のアマチュアゴルファー。今年4月、入学式からわずか18日目に出場した「中部女子学生ゴルフ選手権」で、大学生との激闘を制し見事優勝! プロゴルフトーナメント「ブリヂストンレディスオープン」の出場権を勝ち取りました。
そんな心菜選手最大の武器は、豪快なドライバーショット! 飛距離を見るため、試しに本気で打ってもらうと、なんとプロでもトップクラスの258ヤードを計測しました。
心菜選手を育てた、プロゴルファーの権藤紘太コーチは、「飛距離に関しては十分通用する。もともとこんなに振れているのに、なんでそんなに飛ばないんだってくらい。(以前は)数値もすごく悪かったので、データにはっきりと出ていた」と話します。
心菜選手の練習は徹底したデータ分析によって行われています。使うのは、ボールの回転数やクラブの入射角など、細かいデータを数値化できるマシーン。練習では1球打つごとに、自分のイメージするスイングと数値のズレを照らし合わせています。
さらに、心菜選手が「変身ベルト」と呼ぶスイング専用の器具は、先ほどのデータから生み出された理想のフォームにするため、練習で使い始めたもの。ベルトを装着し、正しい軌道をチェックしながら体に染み込ませます。その後は、器具を外して矯正後のスイングを確認。
しかし、そのスイングをよ~く見てみると…なんとクラブの打つ面がボールと真逆を向いていました。普通ならボールに当たるはずがありませんが、心菜選手にとっては理想のスイングだといいます。このスイングにしてから成績も急上昇し、春の大会での優勝につながりました。しかも、飛距離が今年だけで20ヤードもアップしたのです!
順調にゴルファーとして成長しているように見える心菜選手ですが、実は過去に大きな挫折を味わっていました。
中学時代に大きな挫折 急成長した新たな挑戦とは?
中学1年の時、心菜選手は練習中に左ひざを脱臼し手術。ケガの影響で2か月間、ゴルフができない、もどかしい日々を過ごしました。本人も当時を振り返り「悔しかった」と話します。
そこで、退院後に新たに取り組み始めたのが、ケガをしない体づくり。学校終わりに週3回、1年半以上ジムに通い続けて体幹を強化したところ、大きなケガをしなくなったといいます。
心菜選手が挫折を乗り越え、ゴルファーとして大きく成長できたのは、家族のサポートも大きかったようです。
心菜選手の父・大成さん:
「ジムに通う中で、ゴルフに重要な動きがトレーニングにあるって気づいて。環境を整えてあげれば子どもはのびのびやれるので、親は環境を整えるのが使命なのかな」
父・大成さんは練習場やジムへの送り迎え担当ですが、食事面はお母さんが徹底管理。玄米を中心にした献立で食物繊維やビタミンBが多くとれるように工夫しているそうです。
アマチュアゴルファー心菜選手は、家族の支えを胸に、5月16日から千葉県で開催される「ブリヂストンレディスオープン」で初めてプロのツアーに挑みます。
岡崎城西高校1年 内田心菜選手:
「まず出場できることに感謝して、笑顔で自分らしく頑張りたいと思います」
「ブリヂストンレディスオープン」の賞金総額は1億円。優勝賞金は1800万円となっています。優勝副賞として、トヨタ自動車から「ハリアー」と、大塚製薬より大会公式ドリンク「ポカリスエット」1年分が贈呈されます。