財布もスマホも必要なし!顔認証のスーパー スマートグラスで焼き芋を購入 最新技術で買い物支援 福岡
技術の進歩とともに日ごろの買い物の形が大きく変わってきています。福岡や佐賀でも高齢社会への対策が課題となる中、最新の技術が、高齢者への買い物支援に一役買いそうです。
福岡県宮若市にあるトライアルGO脇田店です。一見、普通のスーパーですが支払い時に最新技術が力を発揮します。
■阿部まみフィールドキャスター
「レジに従業員がいなくても、顔認証で商品を買うことができます。」
その後、買いたい商品のバーコードをセンサーで読み取り終えると、決済が自動で行われます。財布やスマートフォンを出す必要もなく、支払いは1秒ほどで終了します。
行っているのは福岡市に本社を置きディスカウントストアを展開するトライアルと、大手IT企業のNECです。
スーパーのほか、宮若市内のレストランなどでも行われています。しかしいったいなぜ、宮若市を選んだのでしょうか。
■トライアル・亀田晃一社長
「宮若市は高齢者の比率が非常に高い場所です。今だとQRコード決済やスマホを立ち上げて、何かしなくてはいけないというストレスがありますよね。顔認証は何もしなくても顔だけでいろんなことができるようになるので、高齢者にも受け入れてもらいやすくなると思っています。」
トライアルはスマートフォンも財布も持たない社会の実現を目指して今後、まずは宮若市内で、顔認証決済ができる店舗を増やし効果を検証するとしています。
高齢者の買い物を支援する動きは、福岡県古賀市の農産物直売所、コスモス広場でも見られました。
■直売所にいる職員
「博多あまおうです。おいしそうなあまおうが見えますか。」
撮影している女性が頭に装着しているのは「スマートグラス」です。カメラを搭載し、目線と同じ映像を遠隔地に送ることができます。
この映像、誰が見ているのかといいますと、およそ5キロ離れた古賀市の小野地区にある有料老人ホームこはる茶屋の利用者です。
自分で買い物に行くのが難しい高齢者のために、職員がスーパーを訪れ高齢者に代わって3時のおやつを買います。
■利用者
「焼き芋、ほしいです。」
■直売所にいる職員
「はい、焼き芋あります。」
少し離れた焼き芋売り場に到着しました。
■直売所にいる職員
「焼き芋1つ、大きめがいいですか。160円のが少し大きめです。」
■利用者
「1つ。」
■施設にいる職員
「はい、大きいの1つお願いします。」
注文からおよそ30分後、頼んだ焼き芋が無事、利用者の手元に届けられました。
■焼き芋を注文した利用者
「(以前は)娘に買ってきてもらっていた。大好きです。」
高齢化率が高い小野地区で、市はスマートグラスを使った買い物支援に期待を寄せています。
■古賀市農林振興課・松尾翔太朗さん
「なかなか現地に行って買えないというところもあるが、こうした技術を使うことで新鮮な野菜を購入できることが魅力。」
最新技術を使った買い物をとりまく環境の変化は、高齢社会を支えるだけでなく、私たちの生活がより便利になるキッカケになっています。