【食欲の秋】「オファーがじゃんじゃん」新米の収穫が始まる 品薄が続いた売り場は今 福岡
食卓に欠かせない日本の主食のコメが1か月以上、品薄となっている状況が続いています。「令和のコメ騒動」とも言われるなか、新米の収穫時期を迎え、コメ不足の状況に変化はあったのでしょうか。
つやつや、ほかほかの炊きたてご飯。11日、JR博多駅前で始まったのは、九州各地のコメやご飯のお供が楽しめる「九州コメフェス」です。会場には100種類以上のおかずが並びました。
福岡県太宰府市のギョーザをお供に、ご飯をいただきました。
■檜垣すみれアナウンサー
「にんにくのパンチとお肉のジューシーさ、ご飯の甘さ、うまみが合わさって、とてもおいしいです。」
コメ不足が続くなか、新米などを味わってコメの魅力を再認識してもらおうと開催されました。
お供があっても、肝心のコメは今どうなっているのでしょうか。
■永石莉里子記者
「こちらの田んぼでは稲刈りが始まりました。収穫したばかりの稲穂が黄金色に輝いています。」
福岡県八女市でコメ農家を営む倉八朝雄さんは、作ったコメを市内の道の駅などで販売しています。
■倉八朝雄さん
「最高に良くできています。」
新米の出来が良いことから、例年より1週間ほど早く収穫を始めました。
収穫の時期を早めた理由はほかにもあります。
■倉八さん
「『お米を譲ってください』というオファーがじゃんじゃんきます。だけど古米の在庫がない。」
コメ不足が続くなかでの需要の高まりです。
倉八さんは、新米が出回れば品薄感は落ち着いてくるだろうと話します。
■倉八さん
「あまりパニックに陥らないこと。これから先は十分にあります。去年以上に取れていますので。」
福岡市のスーパーを訪ねました。
■中村安里アナウンサー
「ありました。コメ不足と言われていましたが、こちらの売り場には入荷した新米が積まれています。」
8月までは入荷してもすぐに売り切れていましたが、9月に入ると新米の入荷が増え始め、品薄の状況は徐々に落ち着いているといいます。
その一方で、こちらのスーパーでは、去年5キロ2000円台で販売していた新米が、ことしは3000円台になっていました。
■エムズ美和台店・久松浩一 店長
「去年の1.5倍、5キロあたり約1000円くらいは上がっています。人件費や肥料関係の高騰などが大きな要因ではないかと思います。」
■買い物客
「高くなっていますね、値段が。新米が出たのは安心ですが。」
「農家のことを考えると、少しくらいは高くてもしょうがないかな。」
「まとめて炊いて冷凍する。一粒も無駄にすることが減りました。」
九州農政局によりますと、福岡県内の新米の出来は順調で流通量が増えることから、品薄の状況は回復しているといいますが、価格がいつ落ち着くのかは不透明だということです。
■久松 店長
「できるだけ価格を抑えながら販売していくしかありませんが、去年並みの値段は難しい。」
「令和のコメ騒動」とまで呼ばれた全国的なコメ不足。食欲の秋を迎えるなか、手軽な値段で安心して新米を味わえる季節は訪れるのでしょうか。