子どもたちを見守る「青パト」我が町を走る「だいこんの会」が20年 福岡
青い回転灯をつけた車、住民が地域の安全のためにパトロールを行う通称“青パト”です。この“青パト”制度が始まって、12月1日で20年を迎えます。活動を支えるのは、子どもたちを守りたいという地域住民の思いです。
朝7時すぎ、小学校の校舎を出発してパトロールを開始します。車には青い回転灯、通称“青パト”です。
■だいこんの会メンバー
「おはようございます。」
福岡市早良区の小田部(こたべ)地区で、ボランティアで防犯パトロールを行う「だいこんの会」は、50年余り前まで地域で作られていた「小田部だいこん」が会の名前の由来です。
スピーカーから流れているのは、小田部小学校の校歌です。窓を開けて子どもたちに手を振り、校区内をくまなく回ります。
■「だいこんの会」初代会長・金子信幸さん
「今は減りましたが、不審者ですね。不審車両をチェックして、学校の前に止まっていたら記録して書いたりとか。何かあった時に、警察から問い合わせがあれば報告できる。」
小田部地区ではおよそ20年前、小学生が不審者に連れ去られそうになったことから「子どもたちを自分たちの手で守ろう」と、登下校の時間に防犯活動を始めました。「だいこんの会」が活動を開始して以降、小田部地区の犯罪の発生件数は減少傾向が続いています。
地域の安全のために活動する「だいこんの会」。ただ、活動資金の多くは自分たちで準備する必要があります。
この日、小田部地区で地域のイベントが開かれました。バザーで販売されてたのは、手作りの餅「こたべ餅」です。この「こたべ餅」の売り上げが「だいこんの会」の活動を支えています。会のメンバーだけでなく地域住民も協力して、この日はおよそ400本の「こたべ餅」が作られました。
■「だいこんの会」OB・宮本寿子さん
「これが『だいこん号』のガソリン代になる。子どもたちがポケットマネーで買ってくれる。しっかり愛情込めて作らないと。」
価格は1本100円です。テントの前には、笑顔で列に並ぶ子どもたちの姿がありました。
■店員
「熱いよ、気をつけてね。」
■子ども
「ありがとうございます。」
「(おいしい?)はい。カリカリしている。」
■母親
「公園とかで遊んでいる時、何かあった時に地域の方の目もあるし、『だいこんの会』の方が近くにいるだけで、遊ばせるのも安心してできる。」
「だいこんの会」の存在は、子育てをする住民の大きな支えになっています。
■「だいこんの会」会長・奥新一郎さん
「活動をこれからも続けていく必要があるので、どんどん若い方、現役のお父さんお母さんたちに活動に参加してほしい。」
「だいこんの会」の課題は、メンバーの高齢化です。子どもたちを守るため、若い世代を巻き込んで“青パト”の活動を続けていきたいとしています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年11月29日午後5時すぎ放送