【被害】ムクドリの大群が駅周辺に 鳴き声とフン害に住民は悲鳴 都市部に増えた理由は 福岡
電線に止まるムクドリの映像がFBSに寄せられました。福岡県小郡市の西鉄小郡駅の周辺では、夕方になるとムクドリの大群が姿をあらわし、騒音やフンの被害で住民を困らせています。
薄暗くなり始めた夕方の空に響き渡る甲高い鳴き声。電線にところ狭しと止まっているのは、ムクドリの群れです。9月19日午後6時半ごろ、福岡県小郡市で撮影され「地域住民に甚大な被害」というコメントとともにFBSに寄せられました。
撮影された現場に、記者が向かいました。
■山本竜誠 記者
「西鉄小郡駅近くの現場です。見上げると、無数の鳥が電線に止まっているのが確認できます。」
ムクドリは時間を追うごとに次々と集まってきました。
ムクドリはスズメとハトの間くらいの大きさで、翼が茶褐色、頬が白で、くちばしと足はオレンジがかった黄色なのが特徴です。
■動画提供者
「数年前もコンビニの裏側に木があって、いっぱい鳥が集まっているのは見たことがある。こんなに数が増えたのはことしになって。」
夕方になると姿を現す異様なムクドリの群れに、地域住民は困り果てています。
■福むすび・福田愛さん
「飛ぶと(羽が)舞う。夕方と朝方は舞っています。(食品を)作っている時は絶対開けはしませんが、昼間もお客さんが帰ったらなるべくサッと閉めるくらいの対策しかできない。」
呉服店では、店の外に並べていた商品を、入り口に寄せて並べていました。
■呉服のひらた・平田義輝さん
「たくさん来るから恐怖感がある。いつフンが落ちてくるか分からないから。」
■山本記者
「傘を差して、ムクドリがいる電柱の下に10分間立ってみようと思います。」
そして10分後。
■山本記者
「わずか10分間でしたが、16個のフンが落ちているのが確認できます。」
■阿部まみアナウンサー
「小郡駅前の歩道には、鳥のフンや羽がいっぱい落ちています。ここはベンチですか。座ることができない状態ですね。」
電線のすぐ下にあるベンチや歩道には、こびりついたフンの跡がありました。
小郡市には毎週のように、市民からフン害や鳴き声の苦情が寄せられています。
市は、木を切ったり、電線の上にワイヤーを張ったりして、ムクドリが止まりにくくするなど対策を講じてきましたが、イタチごっこの状態です。
■小郡市 都市整備課・坂田仁 係長
「初めは効果があると思うのですが、しばらくするとその状況に慣れてしまうのか、根本的な対策とまでは言えないのが市として今悩んでいるところです。」
ムクドリの被害は、福岡市早良区西新でも確認できました。
■加藤雅大 記者
「街路樹に相当な数の鳥が止まっているものとみられます。鳴き声がかなりうるさくなっています。」
■街の人
「声がうるさい。結構ずっとこういう状況なので、対策できるならしてほしい。」
鳥の生態に詳しい専門家は、ムクドリを街から追い出すことの難しさを指摘します。
■都市鳥研究会・越川重治 副代表
「大抵、最初に集まってくるのはケヤキの木です。それが今、どんどん郊外も宅地化されてなくなってきたので、代わりに都市の方に来てしまった。今ごろのたくさんムクドリが集まる時期に困り果てて、駅前でいろんな対策をするが、実はそれが一番よくない。なぜかというと、追い出しても郊外には行かないからです。4月・5月ごろに、ムクドリが来ては困るという場所の枝打ちを早めにしたり、ネットがけをしたりすることが大事です。」
地域住民を困らせるムクドリの大群。問題解決は簡単ではなさそうです。