佐賀のシンボルで珍味としても愛されるムツゴロウ 国際団体が「絶滅危惧種」に指定 2010年以降に少なくとも30パーセント減少か 地元の反応は
佐賀県の有明海などに生息するムツゴロウ。干潟をジャンプする愛らしい姿で、佐賀のシンボルとも言える存在です。IUCN=国際自然保護連合は今回新たに、ムツゴロウを「絶滅危惧種」と評価しました。佐賀の人たちはどのように受け止めているのでしょうか。
『愛の戦士、ムツゴロウ!』
佐賀市が制作した、干潟の生き物のPR動画です。有明海に生息するハゼ科の生き物、ムツゴロウは、佐賀のシンボルとして、また地元の珍味としても親しまれてきました。
そのムツゴロウを新たに「絶滅危惧種」に指定したのは、スイスに本部を置くIUCN=国際自然保護連合です。
27日に公表したレッドリストによると、アジア各地のムツゴロウは「絶滅の危険が高い」として、絶滅危惧種としては上から3番目に位置づけられました。
個体数は2010年以降、少なくとも30パーセント減少した恐れがあり、日本での乱獲や干拓事業で生息地が失われたことも影響していると指摘しています。
日本の環境省もすでにムツゴロウを絶滅危惧種に指定していました。
■奥村誠悟記者
「有明海に面した佐賀市内の干潟です。夏になるとたくさんのムツゴロ ウが顔を出すということです。国際的な自然保護団体からも絶滅の危険を指摘されたことについて、地元の人はどのように受け止めているのでしょうか。」
■街の人
「さびしいですね。佐賀の大事なものが一つずつなくなっている感じがします。」
「(ムツゴロウが)いなくなってしまうのはもったいないと思うので、減らないような対策を練ってほしいと思います。」
IUCNの判断に法的拘束力はなく、直ちにムツゴロウの捕獲などが制限されることはありませんが、佐賀市の担当者は、干潟の環境保全を継続しながら状況を把握したいとしています。
■佐賀市 環境政策課・福本武志係長
「環境の保全、干潟の環境を生かす取り組みをこれまでも進めてきております。今後もこういった取り組みを継続しながら、いま実施している環境調査の中で、引き続き環境状況を把握をしていきたいと考えています。」