会わせるよう何度も連絡する学校側に「妻は辞職すると言っている」とウソ 遺体を1か月にわたり“放置” 夫は起訴内容を認める 福岡
去年10月、福岡県久留米市のマンションで小学校教諭の女性の遺体が見つかった事件です。死体遺棄の罪で起訴されている夫の初公判が開かれ、被告は起訴内容を認めました。
死体遺棄の罪で起訴されているのは、久留米市の会社員・渡辺司被告(41)です。
起訴状によりますと、渡辺被告は去年9月からおよそ1か月間にわたり、妻の彩さん(当時35)の遺体を久留米市の自宅に放置した罪に問われています。
彩さんは久留米市内の小学校で6年生のクラス担任をしていました。
12日、福岡地裁久留米支部で開かれた初公判で、渡辺被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察側の冒頭陳述では、彩さんが死亡したとみられるのは去年9月21日で、渡辺被告は学校に「妻の体調がすぐれないため2日間ほど休ませてほしい」と連絡しました。
しかし、その後も彩さんが出勤しないことから、学校側が何度も彩さんに会わせてほしいと連絡したものの、渡辺被告は「妻は辞職すると言っている」などとウソをつき、校長から連絡を受けた彩さんの弟が、渡辺被告とともに自宅マンションに入り、遺体を発見した経緯が明かされました。
遺体には布団がかけられ、周りには消臭剤が置かれていたということです。
また検察は、渡辺被告が調べに対し「生前の妻との関係から埋葬しようという気持ちになれなかった」と話したと明らかにしました。
ただ、彩さんの死因についてはいまだに分かっていません。
検察は公判で「別事件での立証も視野に入れている」と述べ、彩さんの死亡について捜査を継続していることを示唆しました。