【クイーンビートルの浸水隠し】JR九州高速船が改善報告「安全推進部」を新設 年内は運休 再開は未定
博多と韓国・釜山を結ぶ「クイーンビートル」の浸水隠ぺい問題で、新たな動きがありました。JR九州の子会社は31日、国に改善報告書を提出しました。
JR九州の子会社、JR九州高速船は「クイーンビートル」の浸水隠ぺい問題をめぐり9月、海上運送法に基づく「輸送の安全確保命令」を受け、31日に国土交通大臣宛てに改善報告書を提出しました。
JR九州高速船は「クイーンビートル」の浸水をことし2月に把握しながら、その後も4か月にわたり船の運航を続けていました。浸水センサーの位置をずらすなど隠ぺい工作を行っていたことも明らかになっていて、海上保安庁が船舶安全法と海上運送法違反の疑いで、強制捜査に乗り出しています。
改善報告書によりますと、JR九州高速船の当時の社長は、船員の経験が長い幹部社員から「安全に支障はない」「報告すれば、運航停止の指示は避けられない」との意見を聞き、浸水を隠ぺいする判断をしたということです。
再発防止策としては、管理体制を強化するため「安全推進部」を新設したほか、社外の専門家をアドバイザーとして招き、社員への研修や教育を強化することなどが盛り込まれています。親会社のJR九州による安全面のチェックも行うとしています。
■JR九州・古宮洋二社長
「組織として安全判断するところと、個人として安全判断する場面もありますので、全員の安全意識を高めるということが私はー番大切だと思う」
「クイーンビートル」の運航再開は現時点では未定としていて、少なくとも年内は運休することが決まっています。