「全店舗で100万円以上かかる…」新紙幣発行まで2週間 設備の導入など対応に追われる
20年ぶりとなる新しい紙幣の発行まで、あと2週間となりました。期待や寂しさの一方、新しい紙幣に対応した設備の導入で、対応に追われている人たちもいます。
新しい紙幣の発行まで残り2週間。20年間、慣れ親しんだ「お札の顔」も一新され、偽造防止のため最先端の技術を取り入れるなど大きく変わろうとしています。
新紙幣の発行に街の人は…「慣れ親しんだお札が無くなるので、ちょっと寂しい。」「ちょっと早い。昭和生まれですが、ずっと夏目漱石で、野口英世になったのはつい最近だった感じ。」「紙幣で日本の歴史を感じることができればいいんじゃない。女性もお札になるし、嬉しい」と話します。
期待の声や、慣れ親しんだ紙幣を惜しむ声も。その一方で、気がかりなこともあるようで…「5百円とか、新5百円使えるけど、旧使えないみたいな。自販機使えないとか、対応がまだできていないから、そこは大変かな」と話します。
新しい紙幣が自販機や精算機などにすぐに対応するのか?です。経済活動にも大きく影響するこの問題。それに対応する企業は大忙しだと話します。
■寺岡システム ニューマーケット部 岡村 洋輝 主任
「今年に入ってから受注が増えている印象はある」
東北を中心に券売機やレジなどを管理・販売するこちらの企業では、春ごろにかけて、新紙幣に対応した機械への交換依頼が急増し、メーカーからの納品が遅れているといいます。
■寺岡システム ニューマーケット部 岡村 洋輝 主任
「例年に比べたらやはり納期はかかっているイメージ」
業界団体によると、新紙幣に対応できるのは、金融機関のATMや駅の切符券売機が9割、コインパーキングの精算機や飲食店の券売機が5割程度、自動販売機は2から3割にとどまる見込みです。
また、新紙幣に対応するために、国内全体で5000億円ほどの費用がかさむと試算されています。
これが痛手となっているのが飲食店…二本松市でラーメン店を営む店主の山本さんは、県の内外で11店舗の飲食店を経営し、そのうち7店舗が券売機を使っています。
■株式会社エフスリーインク 山本 一平 代表
「15万から25万ぐらいの間で、全店舗で100万円以上かかる」
ただでさえ、材料費や高熱費の高騰が続くなか、券売機の新紙幣対応は大きな出費となりました。
■株式会社エフスリーインク 山本 一平 代表
「20年に一度の偽札防止の観点で国が決めているとは言え、コロナ禍あけに、この物価高の中で、かなり追い打ちをかけるような、やられたなという気持ち」
新紙幣の発行は、7月3日からで、日本銀行は、発行後もこれまでの紙幣はいままで通り使えるとしています。