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「13年連続水質日本一の荒川の伏流水を使える」地震被災を乗り越え「金水晶酒造」が再スタート【福島県】

2024年4月17日 19:04
「13年連続水質日本一の荒川の伏流水を使える」地震被災を乗り越え「金水晶酒造」が再スタート【福島県】

2年前の地震で被災した福島市の酒蔵が新たな場所に移転し、再スタートを切りました。困難を乗り越え、福島の魅力を日本酒で発信しようと奮闘するその酒蔵を取材しました。

3月、福島市南西部の自然豊かな場所にオープンした酒蔵=「金水晶四季の蔵」。金水晶酒造は1895年から続く福島市唯一の酒蔵で、全国新酒鑑評会で何度も金賞を受賞するなどその日本酒の味と質は折り紙付きです。ただ、一時は廃業の危機にありました。

■金水晶酒造 斎藤 美幸 会長
「地震の直後はそんなに大したことはないと思っていたが、柱が曲がっていて、力になっておらず、これは全壊判定と」

2年前、最大震度6強の揺れが県内を襲った「福島県沖地震」。中通りや浜通りを中心に3万9千棟を超える建物に被害がありました。当時、福島市松川町にあった酒蔵もその被害は大きく、全壊判定を受けたのです。

■金水晶酒造 斎藤 美幸 会長
「同じ土地で建て替えるにしてもすごく期間がかかるなどいろいろなことがあって、どうやって続けていけばよいか、すごく悩んだ」

地震の被害を乗り越え、新たな場所で酒造りを始めた金水晶酒造。タンクなどの設備も一新し、品質にこだわった酒造りを続けていますが、「この場所」に酒蔵を構えたのにはあるワケがありました。

■金水晶酒造 斎藤 美幸 会長
「“水”が良いので、お酒は水がとても大事ですので、13年連続水質日本一の荒川の伏流水を使えることはすごくよい」

日本酒の味わいを大きく左右する「水」。移転先のすぐそばには13年連続で水質日本一に選ばれた荒川が流れていて、酒造りにこの水を使えることが決め手となったそうです。さらに、酒蔵の隣にはこんな新しい施設も!

■金水晶酒造 斎藤 美幸 会長
記者「こちらはどんな場所?」「リキュールを作る部屋」

多くの人に日本酒の良さを知ってもらおうと「日本酒」と「桃」を合わせたスパークリングリキュールを開発しました。

■金水晶酒造 斎藤 美幸 会長
「新しい建物も建てて量産体制がとれるようになったので多くの方に飲んでもらいたい」

また、併設する直売所には日本酒の試飲コーナーもあり、ジェラート店とコラボした酒粕入りのアイスなども販売してます。

■金水晶酒造 斎藤 美幸 会長
「近くに福島路ビールや吾妻山麓ワイナリーなどお酒だけど違う種類の酒蔵もあるので協力して、福島の魅力をお酒で発信できるように頑張っていきたい」

困難があったからこそ、福島の魅力を日本酒で発信する。金水晶酒造の挑戦は続きます。

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