【浮き具付けていたのに3歳男児が溺れて心肺停止…原因は「アームリング付き浮き具」の付け方】ネット通販で人気のアイテムも注意表示は英語のみの商品も…背中側に付けると大きなリスク
浮き具が一体となった「アームリング付き浮き具」を着用した3歳の子どもが、溺れて心肺停止になる事故があったことがわかり、国民生活センターが正しく着用するよう注意を呼びかけています。
夏を控えたこの時期、インターネットの通販サイトなどでよく見かけるのが小さな子供用の浮き具。子どもの体にフィットしやすいものなど様々なものがあり、特に左右の腕と胸用の浮き具が一体となった「アームリング付き浮き具」は人気アイテムの一つです。しかし、去年8月痛ましい事故が起きていました。
当時3歳の男の子が「アームリング付き浮き具」を着用して屋外プールで保護者と一緒に遊んでいたところ、わずかに目を離した隙に溺れ、水面に浮いているところを発見されました。男の子に呼吸はなく、四肢脱力し顔面蒼白、心肺停止の状態でした。心肺蘇生を始め、4分後に心拍の再開が確認されましたが、その後5日間入院したということです。浮き具を付けていたのに溺れた原因を調べてみると、「アームリング付き浮き具」の付け方に問題があったことが分かりました。
本来は胸側に着用する浮き具が、事故当時は男の子の背中側に着用されていたということです。しかし、この商品の注意表示は本体に英語による表示があるのみで、日本語の表示などはありませんでした。
公益財団法人日本ライフセービング協会の協力のもと、浮き具を胸側に着用した場合と背中側に着用した場合について実験しました。胸側の場合は仰向けになり、息ができる状態で浮かびます。
背中側だと仰向けにならず、うつぶせの状態になり息ができない恐れがあることが分かりました。ライフセービング協会の松本貴行副理事長によりますと、小さな子供が自力で、うつぶせの状態から息ができる姿勢に戻すのは難しく、正しく着用しないと溺れる可能性が高いということです。さらに…。
■ライフセービング協会の松本貴行副理事長のコメント
「子どもは、アームリング付き浮き具の着用中に何らかの違和感等があっても、よほどのことがない限り、自分からは伝えられない傾向があります。あらかじめ、製品に記されている適正年齢、適正体重、使用方法、使用上の注意をよく読みましょう。」
一緒にいる保護者のより一層の安全意識が大切です。水遊びの際は必ず保護者が一緒に水に入り万が一に備えましょう。
そして、国民生活センターは、インターネットショッピングモール運営事業社に対し、アームリング付き浮き具の溺水事故を防止するため、商品情報に正しい使い方を記載するとともに、購入者に対し、注意喚起や啓発を行う等の協力を依頼したということです。