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「地元の風景を守りたい」いわきの名所を“色”で表現する芸術家・福島

2025年3月25日 9:57
「地元の風景を守りたい」いわきの名所を“色”で表現する芸術家・福島

いわき市を拠点に活躍するアーティストがいます。
美しいふるさとをみんなに知ってほしいと、その土地をイメージした「色」で作品を作り上げているんです。

3月に、いわき市で絵画展を開いた金澤裕子さん。出身地であるいわき市を拠点に活動しています。

淡くやさしい色使いで描かれた作品は幻想的ですが、その風景はどこか懐かしさを感じさせます。

なぜなら…

■井上千沙アナ
「勿来海岸に松川浦、会場のほとんどが浜通りの絵ですね」

■いわき市 画家 金澤裕子さん
「地元である浜通りの景色の美しさ、豊かさというのを伝えたくて」

金澤さんの作品の多くは、浜通りを題材に描かれているのです。

相馬市松川浦の日の出を描いた作品に
金澤さんが、お気に入りだという「いわき市勿来町の海岸」など浜通りの風景にこだわり、作品を描き続けています。

■いわき市 画家 金澤裕子さん
「一つのきっかけは震災があって、いわきのために自分が何かできることはないかなと思って、いわきでアート活動を始めました」

筑波大学で芸術を学び、26歳の時に東日本大震災を経験。
以来、ふるさとに寄り添う活動がしたいと創作を続けています。

■いわき市 画家 金澤裕子さん
「心穏やかにしてくれる素敵な海だったのに、その海が牙をむいて、命を奪ったというのはすごくショックだったんですけど。やはり海は自分にとって大切だし絶対に海から離れて生きられないなと感じた」

最近は、県内の小学生に常磐ものや福島の海の魅力を伝える工作イベントやサッカーいわきFCのグッズ制作にも携わっています。

「大好きな地元の風景を伝え守りたい」

金澤さんの思いに共感し今回の個展にも多くの人が集まりました。

■個展に訪れた人は
「ほのぼのとした気持ちに、あったかい気持ちになる。(浜通りの)いろんな場所をもっともっと描いていただきたい」

その金澤さん。
今、絵画とは違う、新たな作品作りに挑戦しています。それが…

■いわき市 画家 金澤裕子さん
「いわきの木材、ひのきなんですけれどひのきをボール状に加工してもらって、そこに私が絵付けをしています」

いわき市の材木店「ハイフォレスト」とコラボして作った「トチイロ」という作品です。
文具やドライフラワーなどが飾れます。

これも、デザインは浜通りに由来。
「小名浜」や「湯本」などその土地ごとに色や絵をイメージして仕上げているんです。
その中の一つは金澤さんの地元・勿来町にある「勿来の関」の「弓掛の松」を描きました。

■いわき市 画家 金澤裕子さん
「夜明けの光が差してきたことの時間帯に月が上っていて、松と月の対比がものすごく美しくて、今回、トチイロに描くようになりました」

「トチイロ」はエスパルいわき内の東北の土産物を扱う店「MONOVAS」で販売されています。

■いわき市 画家 金澤裕子さん
「浜通りの景色も私たちがどのように守っていくかによって全然変わってきてしまう風景だと思うので私自身は絵を描くことで、これを通して価値を伝えたいし、守っていきたいなと思っています」

最終更新日:2025年3月25日 9:58
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