子どもの転落事故を防ぐ 専門家に聞く3つの対策法 【 広島市の高層マンションから女児が転落し死亡】

4月に広島市内の高層マンションで3歳の女の子が転落し死亡した事故は、女の子が誤ってベランダの手すりを乗り越えたとみられています。子どもの転落事故を防止するための対策について、専門家に話を聞きました。
事故が起きたマンションの24階の住民に、実際にベランダを見せてもらうことができました。大人でも一生懸命乗り越えないと落ちることがない状況なので、どうやったら落ちるのかと疑問を持っていました。鍵の位置は、身長160センチほどの住民の肩の高さにあります。そしてベランダには、強風などで物が落下しないように、物を置いてはいけないという決まりがあり、さらに室外機も内側なので、登っても手すりには届かないと思うと住民は話します。手すりの高さはおよそ1メートル35センチ。警察によると、今回の事故では、女の子が部屋の中にあった台のようなものを、ベランダに持ち出した可能性があるということです。子供が大人の思いもよらない行動を目の当たりにした、別のマンションの9階に住む2歳前の子供の保護者は、気付いたら裸足で出てたこともあったので、鍵をロックして、さらに、外から原始的だが突っ張り棒をするなど対策を取っていると話していました。
日々、子どもの治療にあたる佐久医療センター坂本昌彦小児科医は、4歳児以下の行動には、特に注意が必要だと話します。
■佐久医療センター 坂本昌彦小児科医
「危険予知行動が4歳以下の子供はまだ育ってないですね。窓から身を乗り出せば、落ちるかもしれないというリスクを認知できない年齢なので(転落事故が)起きやすいということです。」
一方、身体能力については侮れない一面もあると言います。
■佐久医療センター 坂本昌彦小児科医
「興味深い研究、実験があって、110センチの手すりを乗り越えられるかどうか、年齢別にみた調査があるんですね。」
東京都が行った実験映像を見ると、4歳児の中にはベランダの手すりに見立てた、110センチの障害物を軽々と登っていく姿が映っていました。さらに、2歳児でも15秒ほどで乗り越えました。別の実験では、3歳児の65%が120センチの手すりを乗り越えるという結果も出ています。
■佐久医療センター 坂本昌彦小児科医
「目を離すなというだけでなかなか限界がある。子どもって、注射もそうだが、気をそらす動きをすると泣き止んだりするんですね。子どもは気をそらせると、別の行動に移る子がいるので、ベランダを開けたらアラームが鳴るようなシステムもありかなと思います。」