ウクライナ侵攻で熊本へ…あれから3年 中学校卒業の日
7日は熊本市内の公立中学校で卒業式が行われました。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、熊本にやってきた生徒が過ごした3年間とは…。
熊本市立江南中学校で行われた卒業式。卒業生93人が旅立ちの日を迎えました。
■江南中学校・星田正治校長
「災害や戦争は人々から当たり前の日常を奪ってしまいます。当たり前の重みを常に感じて下さい」
卒業生の津地佑星さん。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに熊本にやってきました。
3年前。テレビから流れるニュースを不安そうに見つめていた佑星さん。母はウクライナ出身です。佑星さんは母とともにウクライナ東部の都市、ドニプロで暮らしていました。しかし隣国との情勢が不安に…。父が暮らしていた熊本に一時的に滞在することにしました。するとその4日後、軍事侵攻がはじまったのです。
■津地佑星さん
「(帰ってくる前に)2か月か3か月くらいの滞在だと『お土産を買ってきて』と(友達は)言っていたけど、今は『泣いている』『心配している』と言っています」
遠く熊本から親族や友人の無事を祈る日々…。思いも寄らぬかたちではじまった熊本での生活でしたが、目の前の出来事に向き合い、一歩ずつ歩みを進めてきました。
ウクライナで打ち込んでいた水泳を再開。仲間たちと切磋琢磨し、去年の県大会では200メートル個人メドレーで優勝することができました。ウクライナ侵攻から3年あまり。佑星さんの中学校生活も最後の日を迎えました。
「楽しかったです!」
■津地佑星さん
「みんなと違って小学校6年間はいなかったので、小学校の思い出などには入れなかったんですけど、この3年間で学校行事など一緒に体験して最高の中学3年でした」
■江南中学校・星田正治校長
「思いやりがあって優しい子ですよね。津地くんがいたことで彼らも身近に感じて学ぶことが多かったんだと思うんです」
早く戦争が終わってほしい。佑星さんの友人たちも願っています。
■クラスメート
「テレビのニュースで見るんですけど3年前からも今も続いていて、長いなと」
「一番大事なのは平和だと思うので自分はできるかわからないんですけど、そういう世界になったらいいなと思います」
熊本市内の高校に進学する佑星さん。目標を教えてくれました。
■津地佑星さん
「(水泳で)インターハイに出場して全国でも活躍できるような選手になりたいです」
ともに過ごした仲間との思い出を胸に、新たな一歩を踏み出しました。