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新年度に"家計直撃"2806品目の食品値上げにエンゲル係数約40年ぶり高水準

2024年4月1日 20:52
新年度に"家計直撃"2806品目の食品値上げにエンゲル係数約40年ぶり高水準

新年度がスタートしましたがさっそく"食品の値上げ"が家計を直撃しています。その影響について取材しました。

「2806品目」。これは4月から値上げされる食品の数です。帝国データバンクによりますと、2000品目を超える値上げは去年10月以来半年ぶり。値上げ幅は平均で約23%に達し、食卓への影響は避けられそうにありません。

熊本市内にあるスーパー。

■イワサキ エース田迎店・上農博店長
「今回はハム・ソーセージなどの加工食品の一部が、10円から20円ほどの値上げ予定」

また、生活に欠かせないこんな商品も。

■山本紗英子アナ
「おととし・去年に引き続き、大手製紙メーカーはティッシュやトイレットペーパーをこの春値上げすると発表しました」(エース田迎店では5月以降値上げ)

家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は、去年27.8%に達し約40年ぶりの高水準を記録。
相次いで食品が値上げする一方、所得の伸びは追いつかず、家計を圧迫している現状が浮き彫りとなっています。

こうした現状に加え今回の"値上げラッシュ"。買い物に訪れた人たちは…。

■買い物客
「厳しいですねちょっと。(買い物は)1週間に1回。結局余計買いすぎますので」
「チャーハンとか鶏肉を入れて豚肉を入れずにとかはしている」
「安いのだけ買っていきます、そして冷凍する。辛抱しなきゃしょうがないですよね。1品減らすとか」

店では、買い物客の“節約”志向が強まっていると感じています。

■イワサキ エース田迎店・上農博店長
「買い上げの点数が年々減ってきているということで、値上げの影響で節約をされているお客様が本当に多くなっている印象」

値上げの影響は飲食店でも。
熊本大学の近くにある飲食店では、100種類以上あるメニューのほとんどが600円台~800円台で提供されています。

■店員
「ほぼ毎日(食べにきてくれる)」
■大学院生
「いつもニコニコ対応してくれて毎日来たくなるような感じ」

安くてボリュームのあるメニューで学生のお腹を満たしてきましたが、今苦渋の決断を迫られています。

■店員
「全部ですね、肉、粉、卵、油、パン粉、全部(仕入れ値が)上がりました。米もあがりましたね」

約2年前から原材料費の高騰の影響を受けてきましたが、価格をなるべく維持しようと試行錯誤を続けてきました。

しかし今回、一部のメニューで50円~100円ほど値上げせざるを得ない状況だといいます。人気のトンカツ定食は680円から780円になります。

■4月から大学院生
「他のところに比べたらすごい抑えてくださっているのが分かるので、しょうがないと思います」

■まんまどんな・山路みどり代表
「お店を続けるためにはやむを得ず、卒業式が終わって新入の節目に思い切って変えさせていただきたいなと思っています」

値上げの要因となっているのは人手不足による物流費や人件費の高騰。企業は価格に転嫁せざるを得ない状況なのです。
しかし県内では「価格に転嫁することが難しい企業も多い」と専門家は指摘します。

■地方経済総合研究所・林田祐子研究員
「100%価格転嫁できているという(県内の)事業者は1割程度にとどまっていて、その他の企業の皆様は価格転嫁が一部にとどまっていたり、全く価格転嫁に取り組めていませんという企業も一定数います」

食品製造業など幅広い業種で取引先との関係から、人件費の高騰を価格に転嫁しづらく収益を圧迫しているケースもあるといいます。

今後の見通しについて帝国データバンクは
■世界的な猛暑や干ばつによる不作の影響
■賃上げによる人件費の高騰などから、
ことしの夏以降再び値上げが本格化する可能性があるという見方を示しています。
とどまることを知らない"値上げの波"。家計のやりくりが難しい1年となりそうです。