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明治時代に伝来 地域の誇り詰まった「橙色」網田ネーブルの魅力

2025年1月16日 21:07
明治時代に伝来 地域の誇り詰まった「橙色」網田ネーブルの魅力
網田ネーブル

KKTのカメラマンによる映像企画、「Kumamoto color」です。
“色”がテーマのシリーズ、5回目は「網田ネーブル」です。

有明海にほど近く温暖な網田地区。1900年に伝わったとされ100年以上にわたって栽培されている宇土市が誇る特産品「網田ネーブル」。

■生産者・堀内勇一さん
「土壌もみかんに適した土壌がありますし、水に関しても網田地区は全て自然の水しか使っていないんですよ」

生産者の堀内勇一さん。甘さはもちろん、強い香りが網田ネーブルの魅力だといいます。

■堀内勇一さん
「玄関先にちょっと置いているだけでも帰った時にポッとネーブルの香りがする」

そんな「網田ネーブル」には、地元では別の呼び方があります。その名も「献上ネーブル」。皇室に献上されたことを示す伝達書には、「宇土郡網田」や「ネーブル」という文字が。明治末期から平成にかけて、皇室への献上品となっていたのです。

しかし近年、柑橘類の流通が増えネーブルの価値が低下。100軒以上あった生産農家は約30軒にまで減少しました。さらに生産者の高齢化が追い打ちをかけています。

■堀内勇一さん
「10年経ったら田んぼと畑の80%の経営者が75歳以上になってしまう」

元々熊本市内の不動産関連会社に勤めていた堀内さん。ネーブルに魅せられ3年前に会社を辞めて栽培を始めました。

■堀内勇一さん
「先人の先輩たちのためにももう一度価値を上げたい」

今では7人の生産農家とともに、品質の向上や販売の強化を目指し、協力し合っています。そして去年、堀内さんたち生産者と加工業者などが販売を始めたのが果汁100%のジュース。名前は「てましぼり」手間ひまかけて栽培していることひとつひとつ手絞りで丁寧につくられていることから、この名前になったそうです。

■堀内勇一さん
「とにかくかっこいい農業、網田地区の柑橘が有名になることによってネーブルが有名になることで、俺もわたしも網田で農業を始めたい、柑橘農家を始めたいという人を増やしたい」

地域の誇りが詰まった橙色です。

最終更新日:2025年1月16日 21:14
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