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有明海ノリ全量出荷 公取委の処分不服とした熊本県漁連などの訴え退ける 東京地裁

2024年5月9日 19:01
有明海ノリ全量出荷 公取委の処分不服とした熊本県漁連などの訴え退ける 東京地裁

有明海のノリの出荷をめぐり熊本県漁連などが生産者の取引を不当に拘束しているとして、公正取引委員会が行政処分を通知したことに対し、県漁連などが処分の差し止めを求めた裁判で、東京地裁は9日、訴えを退けました。

処分の差し止めを求めていたのは、熊本県漁業協同組合連合会と佐賀県有明海漁業協同組合です。

この問題は、全てのノリを漁連と漁協に出荷するよう加入するノリ生産者に義務づけ、取引を不当に拘束したとして、公正取引委員会が独占禁止法に基づいて、違反行為をやめるよう命じる排除措置命令を出す方針を通知していたものです。

これに対し、漁連と漁協は、この命令を不服として処分の差し止めを求めて東京地裁に提訴していました。

東京地裁は9日の判決で、命令が出されることで漁連と漁協に「重大な損害を生ずるおそれがあるとは認められない」と指摘しました。このため、「訴訟に必要な要件を満たしていない」として、不当な取引をしていたかどうかについて判断することなく、訴えを退けました。

■原告の代理人弁護士 平山賢太郎弁護士
「本日の判決では、漁協・漁連と生産者との取引関係が合法か違法かは判断されなかった。今後も取引関係が正当なものであるということを、裁判所で引き続き説明していきたい」

原告側は今後、公正取引委員会から排除措置命令が正式に出された場合、命令の取り消しを求める裁判を起こす方針です。