「熊本から世界にチャレンジ」仕掛け人は巻誠一郎さん 少年サッカーの新プロジェクト始動
熊本で少年サッカーの新たなプロジェクトが動き出しました。「九州、そして熊本から世界へチャレンジ!」を掲げ、トップクラスの小学生が集結したそのプロジェクトとは?
去年11月の夜。大津町のサッカーグラウンドには行列が。集まっていたのは、小学生のサッカー選手たち。ここで何が行われるのかというと…。
■選手
「失敗してもいいのでアグレッシブなプレーをしていきたい」
「もっと上でやりたいなと思ってここにきました」
「受かる受からないは別に、まず楽しんで自分のためになるようにしっかりがんばります!」
4月に熊本で初めて開催される12歳以下の国際フットボール大会「FDチャレンジカップ」に出場する選手のセレクションです。世界と戦う「熊本の選抜チーム」入りを目指して、小学4年と5年のサッカー選手104人が集まりました。
この国際大会の実行委員長を務めるのは、2006年ドイツW杯に出場した元日本代表の巻誠一郎さんです。
■巻誠一郎さん
「サッカー界でも幼少期から世界に触れ、世界にコンプレックスを持たず、対等にチャレンジできる子どもたちをたくさん育めたらいいなという思いもあり、こういう大会を開催することになりました」
FDチャレンジカップに参加するのは、今回セレクションで選ばれる熊本選抜チームの他、Jリーグのクラブチームやアジア、ヨーロッパの強豪クラブなど32チーム。出場予定チームには、クリスティアーノ・ロナウド選手を輩出したポルトガルのチーム「スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル」も。
世界の強豪と戦う熊本選抜チームを指揮するのは、元Jリーガーで、ユーチューブでも活躍する那須大亮監督です。
■那須大亮監督
「きょう選手を選ばないといけないですけど、限られた練習期間でどういうチームを作れるのか、一番は勝つことでいい思い出、この先に一人ひとりのストーリーがあると思うので、これが色濃いストーリーになればいいなと」
104人の中から15人ほどを選ぶセレクション。巻さんと那須監督が審査します。実戦形式のゲームをしながら、一人ひとりの特徴をチェックする2人。特に注目していたのは?
■那須大亮監督
「フィジカルの部分だったり運動能力だけじゃなくて、今後の伸び代がある選手、何かのきっかけで伸びそうな選手をセレクションメンバーに選ぼうと思っています」
選手たちは普段チームで培った技術を惜しみなく発揮しています。どの選手もとてもレベルが高く、審査に悩む巻さんと那須監督。そして約2時間のセレクションが終了しました。
■那須大亮監督
「ここで選ばれる人、選ばれない人がでてきます。セレクションに選ばれた選手たちは、落ちた選手たちの思いを背負って、しっかりといい結果を残せるように頑張りましょう」
審査する2人の目にはどう映ったのでしょうか?
■那須大亮監督
「いいものを持っている選手がいたので、本当に楽しみだなと」
■巻誠一郎さん
「将来どうやって伸びていくのかという可能性がある選手が何人かいたので、それを那須さんがどう成長させていくのかも楽しみだなと思い、見ていました」
後日、厳正な審査に臨んだ巻さんと那須監督。その結果、最終的に13人がメンバーに選ばれました。
■巻誠一郎さん
「長期的な目でも見たいなと話をしていたけど、やっぱり勝負なので勝ちたいということで、勝負できる精鋭のメンバーを選びました」
1月21日。熊本選抜チームの初練習。不在の那須監督に代わって巻さんがコーチを務め、練習試合を行います。
■巻誠一郎さん
「声をかけ合いながらいきましょう。メンバーとかシステムと変えながらやるから」
練習試合の序盤から熊本選抜チームの選手の個人技の高さが光ります。自分が持っている力を最大限に活かし、伸び伸びとプレーする選手たち。
■齊藤叶仁選手(小学5年生)
「自分の特徴を出せるのでやりやすいいです。ちゃんとコミュニケーションも取れて、一人ひとりの技術が高いのでいいと思います」
■巻誠一郎さん
「自分たちのいいプレーを出そうとした1回目だったけど、びっくりするぐらいいいプレーをして、本当に思った以上に良かったと思います」
今後は、那須監督も合流して練習を重ね、4月の国際大会に挑む熊本選抜チーム。更なるレベルアップを目指し、大会では優勝を狙っていきます。熊本から世界の舞台へ。夢を追いかける選手たちの活躍に注目です。