富山県の人口100万人割れを検証 若い女性の県外流出の現状と背景
5月1日、富山県の推計人口が4月1日時点で100万人を割り込んだという衝撃的なデータが発表されました。
エブリィでは人口減少に関する課題をシリーズでお伝えします。1回目は、若者、特に女性の県外流出について考えます。
4月に富山市で開かれた就職セミナーで、就職活動中の女性に将来、富山に残って働きたいか聞きました。
福井出身・県在住の女子大学生「(就職先は)関東圏を考えていて、富山に残るということはあまり考えてはいないかな」
県出身・在住の女子大学生「(就職先は)県内で決めてますね。周りは結構県外の人も多いですね。県外に住んで、そこで就職するという人が多いですね」
話を聞いた女性の半数近くが「自分や自分の周りの人は、就職で富山を離れる予定」と答えました。
去年1年間の人口移動で、富山県では転出者が転入者を上回る「転出超過」が20歳から24歳の女性で662人と、他の年代や男性と比べて突出して多くなっています。
また、15歳から19歳の女性は「転出超過」が259人。つまり、高校や大学を卒業する年代は、男性よりも女性の方が多く県外に出ているのです。
就職情報を提供する会社の担当者は「Uターン就職も期待しにくい現状が続いている」と話します。
マイナビ 松田浩樹富山支社長「(学生に)アンケートを取ると、6割ぐらいの方はUターンも含めて地元のことを意識しているという調査結果にはなっているんですけれども、実際に戻ってこられる方自体はそんなに多くはない。2割から3割ぐらいじゃないかな」
なぜ、若い女性は富山を離れるのでしょうか。
県出身・在住の女子大学生「(友人は)『富山に就職したい会社がない』と言う。やっぱり製造業が多いので」
福井出身・県在住の女子大学生「関東とかの方が仕事(の選択肢)が多いイメージがあるし、ここに残って例えば何がしたいとかもいまいちよくイメージを 持てないので」
新田知事 3月の会見「やはり就職時に多くの若い人たちが富山を後にする。富山の企業を選択肢の一つにも入れずに知らずに(県外に)行かれる。そういう不戦敗はなくしたい」
若い女性の流出を食い止めるため、県は、経営者を対象としたセミナーや、中高生と富山の女性管理職との交流会、女性活躍企業を紹介するPR動画の作成など、情報提供に努めてきました。
女性の活躍と地域経済に詳しい金沢工業大学の大砂雅子教授は「人口減少に対する危機感を強く企業と共有すべき」と話します。
金沢工業大学 大砂雅子教授「(県は)いろんな情報を出しているが、せっかくいい企業のモデルを公開したところで若い女性に届いていないとか、経営者側が『それはそうだけど、なかなかうちはできないんだよね』で終わっているところがある。(県は各企業と)共通認識を持つことまでやっていただきたいなと思います」
さらに大砂教授は富山県では「男は仕事・女は家庭」といった性別役割分担意識が根強く、若い女性が多様な生き方を選べる場所へ移り住む傾向があるのではないかと指摘します。
金沢工業大学 大砂雅子教授「(性別役割分担意識で)女性に期待することとは、まず『子どもを産んで育ててください』ということ。子どもを産み育てる、家族の世話をする、できれば家を守っていきたいので介護もやってほしいと、女性自身の生き方や夢を提供することを二の次にしているようなところがあって、そういうことを幸せと思う人もたくさんいるんですけど、今、幸せのあり方というのはずいぶんある」
シリーズ2回目は、出産をめぐる環境と少子化対策についてです。
エブリィでは人口減少に関する課題をシリーズでお伝えします。1回目は、若者、特に女性の県外流出について考えます。
4月に富山市で開かれた就職セミナーで、就職活動中の女性に将来、富山に残って働きたいか聞きました。
福井出身・県在住の女子大学生「(就職先は)関東圏を考えていて、富山に残るということはあまり考えてはいないかな」
県出身・在住の女子大学生「(就職先は)県内で決めてますね。周りは結構県外の人も多いですね。県外に住んで、そこで就職するという人が多いですね」
話を聞いた女性の半数近くが「自分や自分の周りの人は、就職で富山を離れる予定」と答えました。
去年1年間の人口移動で、富山県では転出者が転入者を上回る「転出超過」が20歳から24歳の女性で662人と、他の年代や男性と比べて突出して多くなっています。
また、15歳から19歳の女性は「転出超過」が259人。つまり、高校や大学を卒業する年代は、男性よりも女性の方が多く県外に出ているのです。
就職情報を提供する会社の担当者は「Uターン就職も期待しにくい現状が続いている」と話します。
マイナビ 松田浩樹富山支社長「(学生に)アンケートを取ると、6割ぐらいの方はUターンも含めて地元のことを意識しているという調査結果にはなっているんですけれども、実際に戻ってこられる方自体はそんなに多くはない。2割から3割ぐらいじゃないかな」
なぜ、若い女性は富山を離れるのでしょうか。
県出身・在住の女子大学生「(友人は)『富山に就職したい会社がない』と言う。やっぱり製造業が多いので」
福井出身・県在住の女子大学生「関東とかの方が仕事(の選択肢)が多いイメージがあるし、ここに残って例えば何がしたいとかもいまいちよくイメージを 持てないので」
新田知事 3月の会見「やはり就職時に多くの若い人たちが富山を後にする。富山の企業を選択肢の一つにも入れずに知らずに(県外に)行かれる。そういう不戦敗はなくしたい」
若い女性の流出を食い止めるため、県は、経営者を対象としたセミナーや、中高生と富山の女性管理職との交流会、女性活躍企業を紹介するPR動画の作成など、情報提供に努めてきました。
女性の活躍と地域経済に詳しい金沢工業大学の大砂雅子教授は「人口減少に対する危機感を強く企業と共有すべき」と話します。
金沢工業大学 大砂雅子教授「(県は)いろんな情報を出しているが、せっかくいい企業のモデルを公開したところで若い女性に届いていないとか、経営者側が『それはそうだけど、なかなかうちはできないんだよね』で終わっているところがある。(県は各企業と)共通認識を持つことまでやっていただきたいなと思います」
さらに大砂教授は富山県では「男は仕事・女は家庭」といった性別役割分担意識が根強く、若い女性が多様な生き方を選べる場所へ移り住む傾向があるのではないかと指摘します。
金沢工業大学 大砂雅子教授「(性別役割分担意識で)女性に期待することとは、まず『子どもを産んで育ててください』ということ。子どもを産み育てる、家族の世話をする、できれば家を守っていきたいので介護もやってほしいと、女性自身の生き方や夢を提供することを二の次にしているようなところがあって、そういうことを幸せと思う人もたくさんいるんですけど、今、幸せのあり方というのはずいぶんある」
シリーズ2回目は、出産をめぐる環境と少子化対策についてです。