能登半島地震で被災したピアノ 周南市で奏でる新たな音色
能登半島地震の被災地、新潟県から救い出されたピアノが周南市の貸しホールに常設されることになり12日、搬入作業が行われました。
12日午前9時。1台のグランドピアノが周南市の中心商店街に運ばれてきました。
(藤田隆之さん)「ドキドキです、この階段がどうなのか心配なんですけれど…。」
ピアノは周南地域で音楽イベントなどを主催する藤田さんが能登半島地震の被災地から譲り受けた”被災ピアノ”。
このたび休館中の映画館を貸しホールとして活用しているシネマ・ヌーヴェルに常設されることになりました。
ピアノのふるさとは、能登半島地震で震度5強を観測し各地で液状化が発生した新潟県新潟市西区の住宅。
ピアノ自体は無事でしたが家は液状化の被害で半壊に…。
「このままではピアノが家と一緒に処分されてしまう。助けてほしい。」
新潟で液状化があった地域の復旧作業に携わっていた友人からの連絡を受け、藤田さんはピアノを引き取ることにしました。
(藤田さん)「なんとかピアノを救い出してセカンドステージを作れたらいいなと。そういう気持ちから、ピアノを引き取ってこちらで活用できるように計画しますのでと譲り受けた。」
こうして8月、周南市に到着した被災ピアノ。
調律師によるピアノの修理や掃除を終えて、12日、シネマ・ヌーヴェルに無事搬入されました。
(藤田さん)「重厚感あっていいですね、長旅をしてきたという感じで。」
(調律師)「ひとまずここに入って一安心。あす最終調整してすべて完了ということになります。」
ピアノは13日の夜に開かれるコンサート「映画音楽とジャズの夕べ」でお披露目!
震災を乗り越えたピアノが周南市で新たな音色を奏でます。
(藤田さん)「もともと映画館ということでビジュアルは映画館なんですけれど、ピアノが入るといっきにホール化する。この変化の度合いを楽しむのも魅力のひとつだと思いますし、ピアノがこの音を聞いてくれと訴えているように感じるので、お越しのみなさんもそういったことを感じてもらえるのではないのかなと思います。」