初受賞したアジア出身女性の作品や “日本被団協”関連も「ノーベル賞受賞で注目される本」《長崎》
ノーベル賞の話題です。今年は平和賞に日本被団協が選ばれるなど、国内でも大きな話題となりました。
県内の書店では、こんな本が売れているそうです。
10月11日の日本時間午後6時頃、
(発表)
「ノルウェー・ノーベル委員会は、今年のノーベル平和賞を『日本被団協』に授与することを決定した」
今年のノーベル平和賞に選ばれた、被爆者の全国組織の日本被団協 =「日本原水爆被害者団体協議会」。
被爆地ナガサキも、受賞に大きく沸きました。
その被団協の歩みなどを掲載した1冊が「被爆者からあなたに」です。
(メトロ書店 川崎綾子さん)
「被爆の体験談も書いてあるし、被団協の皆さんがこれまでどんな活動をして、貢献してきたかということが紹介されている」
1956年の結成以来、“核なき世界の実現” をめざす被爆者たちの、世界へ向けたメッセージです。
また 今年のノーベル文学賞にアジア出身女性として初めて選ばれたのが、韓国人作家のハン・ガンさんです。
これまでに多くの作品が日本語に翻訳されているそうで、長崎市のメトロ書店では特設コーナーで紹介しています。
(メトロ書店 川崎綾子さん)
「小説だけどすごく詩的、ポエムみたいな散文的な文章で書かれていて、すごく読みやすくて情景が目に浮かぶような作風」
代表作「菜食主義者」はある日、肉を食べることをやめた女性が直面する葛藤や家族内の緊張、人間の本能などが描かれた物語。
個人の自由と、抑圧の緊張関係について考えさせられる作品です。
2016年には、アジア初となる「マンブッカー国際賞」を受賞しています。
(メトロ書店 川崎綾子さん)
「ブッカー賞というのは、日本でいう本屋大賞みたいなものなので、非常に目利きの方が選んで面白い。カズオイシグロさんも受賞している」
このほか、ハンガン作品を “どれから読めばいいかわからない” という人にお勧めなのが…。
「すべての、白いものたちの」は、朝鮮半島とワルシャワという異なる地域を舞台に、命のはかなさと力強さをテーマにした短編集。
また 日韓の人気作家12人の短編小説が勢ぞろいした「あなたのことが知りたくて」には、ハンガンさんの京都を舞台にした作品が収録されています。
ハン・ガンさんの小説は、ほかにも「ギリシャ語の時間」「回復する人間」「少年が来る」など、日本語に翻訳された作品がたくさんあるそうので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
ノーベル賞は来月、ノルウェーのオスロで授賞式が行われます。
長崎からも被爆者の代表が出席する予定です。