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Jリーグ初の民設民営スタジアム「新たなスポーツビジネスの形」チェアマンが語る日本サッカーの未来像《長崎》

2024年10月13日 7:00
Jリーグ初の民設民営スタジアム「新たなスポーツビジネスの形」チェアマンが語る日本サッカーの未来像《長崎》

今月、長崎スタジアムシティを視察した Jリーグの野々村芳和チェアマン。

トップが語る新スタジアム、そして日本のサッカーの未来像とは。
単独インタビューです。  

今月6日、サッカーJ2 V・ファーレン長崎が迎えた「ピーススタジアム」での初陣。

スタジアムには、前を見ても、後ろを見ても、横を見ても、人、人、人。

ホームゲームで歴代2位となる 1万9000人あまりが駆け付けました。

(愛知から)
「朝イチでやって来た。1年前の建設途中の見学会に来て以来なので、本当にピッチも近くて、もうどうしましょう」

(佐世保市から)
「これだけ人が集まって、長崎の活性化にもつながる」

その5日前、スタジアムのピッチに立ったのは…

Jリーグのトップ、野々村 芳和チェアマンです。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「ゴール裏から見たいなとか、バックから見たいなとか、ホテルから見たらどうなんだろうとか、いろんなことを想像できて、きっと楽しみ方がいっぱいあるだろうなと」

現役時代は、現在のジェフ千葉などでミッドフィルダーとして活躍。

2013年から9年間、コンサドーレ札幌の社長、会長としてクラブを経営し、おととし 元Jリーガーとして初のチェアマンに。

視察では、“日本で一番ピッチから近い” 5メートルの距離にある客席の眺めを体感しました。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「何よりサッカーをやる側としては、熱量がすごく伝わりやすいスタジアムになると思うので、いいものは出せそうな感じがする、選手のパフォーマンスとして。それが1番いいところ」

ピッチからホテルを見上げ…、

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「ホテルの部屋から見てもいいんだ。すごいね」

Jリーグでは、初めての民設民営となる “ピースタ”。

ホテルや商業施設も併設され、さまざまな 日本初の仕掛けが…。

客席からスタジアム上空を見上げると、そこにはスタジアムの真上を横切る「ジップライン」が。

(京都から)
「(ジップライン)、これやってみたい」

(京都から)
「スタジアムシティはでっかいですね。
駅近だし、他県の人も来やすいと思うので、めちゃくちゃ便利なスタジアム」

Jリーグのトップとして、 “新たなスポーツビジネスの形” に期待を寄せています。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「今までは公-公(公設公営)みたいな形が多かったのかもしれないが、これをやってみて これだけ多くの人が楽しめたんだとか」

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「ビジネスとしてもうまく回っていくんだみたいなことを見せてくれると、いろんな人たちの良いお手本になると思うので、そこはすごく楽しみにしている」

スタジアムへの期待は、周辺にも。

同じ町内に本社と工場を構える『杉永蒲鉾』は、できたての長崎名物「ハトシ」やちくわを販売するテントを設置。

県外からの多くのファンが、長崎グルメを満喫しました。

(鹿児島から)
「きょう昼はちゃんぽんを食べたので、ハトシはワンセットで。サッカー見ながら食べようかなと」

(杉永蒲鉾 堀口 哲矢 業務部長)
「順調。お客さんの数にびっくりする。県外からもたくさんの人が来ているので、ぜひ長崎名物のハトシや、ちくわを食べていってほしい。商売としてもたくさん期待している」

初の公式戦で、多くの観客を集めた新スタジアム。

野々村チェアマンは、この勢いをサッカーファン拡大の好機と捉えます。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「新しいスタジアムができた時には、そのクラブのサッカーというよりは、スタジアムにまず行ってみたいっていう人たちが多いと思う」

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「あそこに行くと本当に楽しいんだっていう成功体験と、このクラブに関わると自分の人生が少し豊かになったというような成功体験を 多くの人に味わってもらえるようになると、いつまでたっても、みんなが週末はあそこに集まることが実現できる」

創設から30年あまりが経過したJリーグ。

次に見据えるのは「世界標準」です。

2026年からのシーズンからは、ヨーロッパの主要リーグと同じ 秋からの開催とする「秋春制」に移行します。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「1番いいコンディションの時に、めちゃめちゃ高いパフォーマンスをしているヨーロッパと、日本はシーズンの真ん中がもう真夏になるので、これだけ差ができている。

今や選手にとっては、隣町のあの子がライバルっていうよりは、ヨーロッパの同い年のあいつがライバル。

国内での対決から、世界の人たちともしっかりと対決していかなきゃいけない」

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「Jリーグは、あそこのリーグに行くと成長するっていうリーグでないと、世界と勝負できなくなっていると思うので、そこが僕の中で1番大きなところ」

ピースタでの初戦を快勝で飾ったV・ファーレン長崎。

現在J2の3位につけていて、7シーズンぶりとなる J1昇格への正念場を迎えています。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「クラブが非連続に成長するタイミングはいくつかあるが、そのうちの2つは、やっぱり1つは新しいスタジアムができる時。もう1つは昇格をする時だと思う。

その2つのチャンスがあるって なかなかあることではないので、本当100年に1回 あるかないかみたいなことなんじゃないかなとも思う。
そこのチャンスをどう ものにするか」

「チーム」と「まち」が、ともに成長を遂げる “起爆剤” として期待される新スタジアム。

地域密着を掲げる Jリーグトップの熱い視線が注がれています。

(Jリーグ 野々村芳和チェアマン)
「あのスタジアムができてテンションが上がらない選手はいないと思うので、いいプレーは絶対してくれるんじゃないかなと思う」

最終更新日:2024年10月16日 11:35