“永瀬最強説”「素直にうれしい」柔道81キロ級2連覇 永瀬貴規選手が語るパリ五輪とこれから《長崎》
パリオリンピックで、柔道 “81キロ級で2連覇” という偉業を成し遂げた永瀬 貴規選手。長崎市の出身です。
今の心境や、これからについて話を聞きました。
(永瀬 貴規選手)
「帰国してからいろんな人に会ってお祝いのメッセージや連絡をもらって、本当に優勝したんだなという実感もわいてきた」
長崎市出身、柔道日本代表の永瀬 貴規選手 30歳。
連覇を成し遂げたパリオリンピックの閉幕から1週間。激闘を振り返ってくれました。
Q.近藤燦太記者
「どんな活躍をしたいと思ってこの大会に臨みましたか?」
(永瀬 貴規選手)
「2連覇を目指してこの大会に挑んだけれど、それと同じくらい “自分の柔道を出し切ろう” と思って、悔いない大会にしたい思いも同じくらい強かった」
2021年の東京大会で悲願の金メダルを獲得し、前回王者として臨んだパリ大会。
プレッシャーもある中で迎えた初戦の2回戦。
得意の内股から抑え込み、合わせ技一本。
続く3回戦も勝利し、準々決勝へ。
▼延長戦を制した準々決勝 「1つ ヤマかなと思った」
準々決勝の相手は東京大会の銅メダリスト、世界ランク1位のベルギー代表です。
(永瀬 貴規選手)
「3月の国際大会では敗退していた相手だったので、(準々決勝が)1つヤマかなと思った」
永瀬選手は積極的に技を繰り出しますが相手を崩しきれず、延長戦へ。
なおも足技で揺さぶり続け、一瞬の隙を狙います。そして…
最後は大外刈りで技あり。
この勝利で勢いに乗ると、準決勝は一本勝ち。
迎えた決勝戦の相手は、世界選手権3連覇を果たしたジョージア代表です。
永瀬選手は攻め続け、開始1分50秒「谷落とし」で技ありを奪うと、その後も優位に進め、一本。
「群雄割拠」の81キロ級。
「自分の柔道」を貫き通し、これまで誰も成し遂げられなかった「オリンピック連覇」を達成しました。
(試合直後の永瀬選手)
「オリンピックという舞台を2回勝ち抜くことができて、本当に幸せなことだと思う」
▼“永瀬最強説” 勝因は「間合い」と自己分析
永瀬選手が勝因として挙げたのが、巧みな組み手から生み出す「間合い」です。
(永瀬 貴規選手)
「自分の間合いでできることで 相手の力が伝わりずらい部分もあるし、その中でも私の圧が相手にかかるような柔道ができる。全試合通して、全体的に私の間合いで試合することができていたと思うので、それが結果に結びついた」
今回のオリンピックでは、この言葉が話題になった永瀬選手。
(大野将平さんの解説)
「“永瀬最強説”、証明してくれました」
共に稽古し、そのひたむきな努力を知る同僚の大野 将平さんが解説で称賛しました。
(永瀬 貴規選手)
「本当におこがましいなという気持ち。そう言ってもらえるのは素直にうれしい。毎年チャンピオンが変わるような階級ではあったので、その中で結果を残すことができ 今回連覇というので、その部分では自分のこともほめてもいいのかなと思う」
▼「永瀬すぎる」 “最強” で “謙虚” な柔道家
また、SNSなどでは持ち前の謙虚な姿勢が「永瀬すぎる」と話題に。
金メダリストとして表彰された後の写真撮影でも…。
(大野将平さんの解説)
「永瀬さんらしい 控えめなポジションですね」
(永瀬 貴規選手)
「謙虚な部分や1人の人として大事な部分は、どの立場になっても大部分だと思っているのでそこは変わらず。誰からも応援されるような選手や1人の人間としても柔道家としてもなりたいと思っている」
“最強” で “謙虚” な柔道家。
しかし東京オリンピックの後は、結果を残せない時期が続きました。
切り替えのきっかけは、母校での稽古…。
恩師 長崎日大高校柔道部の松本 太一 監督が提案してくれたそうです。
▼長崎は原点の地「純粋に柔道を楽しんで稽古に取り組む」
(永瀬 貴規選手)
「原点に帰って。いろいろ考えすぎていた部分もあるので、純粋に柔道を楽しんでいた昔の気持ちや、稽古に取り組む姿勢というのも思い出せた」
パリから帰国し、この2週間は時々身体を動かしながらリラックスした時間を過ごしているという永瀬選手。
今後については…。
(永瀬 貴規選手)
「しっかり時間をかけて次の目標を定めていきたいと思っているので、まだ現時点で今後どうしていくかははっきり決まっていない部分はあるけど、あせらず次の目標を決めていけたらと思っている」
最後に改めて、地元・長崎への思いを聞きました。
(永瀬 貴規選手)
「(長崎は) 原点の地でもあるし、長崎を離れてからもたくさんの人に いつも応援やサポートをしてもらって 今回の結果を残すことができた。
その点も含めてありがとうございました」
(永瀬 貴規選手)
「また長崎に帰った際には報告ができればいいなと思っているので、楽しみにしてもらえれば」