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「自然な雨が降っていただければ」 波積ダムで放水量の制限を開始 雨量の減少が原因 島根県江津市

2024年6月19日 17:13
「自然な雨が降っていただければ」 波積ダムで放水量の制限を開始 雨量の減少が原因 島根県江津市

2か月近く雨の少ない島根県。島根県江津市にある江の川の支流にある波積ダムでは、ダムからの放水量の制限を6月19日から始めました。

高井和代 記者
「今年6月に運用を始めたばかりの波積ダムですが、このところ雨が降らなかったこともあり水位が下がっています。上から見ても、最低水位に近づいています」

波積ダムがあるのは、江津市の江の川の支流・都治川流域。1971年の豪雨で氾濫するなどたびたび水害をもたらしてきました。こうした中、1994年に治水対策を兼ねた建設事業に着手し30年をの月日をかけ今年、完成しました。そして、6月1日から供用が始まり洪水に備えていますが、波積ダムの19日までの累計雨量は、わずか34ミリ。水位は徐々に下がってきています。

島根県浜田県土整備事務所維持管理部 ダム管理第2課 岩井武志 課長
「最低水位というのは、67.2メートル。それに近づいているのであまり好ましくない」

ダムが供用を始めた時の貯水率は、42パーセントでしたが19日時点で、18%となりついに20%を切りました。ダムの最低水位67.2メートルに対し、19日の水位は68.2メートルと、最低ラインまであと1メートルに迫っています。

そこで、6月19日波積ダムでは、下流域の農業用水の確保などのため、放流する水の量の制限を始めました。毎秒あたり、0.197トンの放水量を25パーセント減らし、毎秒あたり、0.148トンとしています。都治川の水は家庭用の水道水としては使われておらず、生活への直接の影響はないということです。

島根県浜田県土整備事務所維持管理部 ダム管理第2課 岩井武志 課長
「本来自然な雨が降っていただければと思うのですが、このような状況ですので生活ができるような雨が降ってもらうのと、適切な維持管理をしていきたいと思っております」

このほかにも島根県内では、(19日午後3時点)斐伊川上流の尾原ダムや(貯水率61.9%)、三瓶山流域の三瓶ダムでも(69.7%)貯水量の低下を受け、放流調整を行っています。島根県は今後の天候を見ながらこうした制限をしばらく続ける方針です。

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