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【現役の警察官が解説】相談が急増の『警察官をかたった詐欺』 本物からすると“突っ込みどころ満載” なのに多くの被害が…その手口とは?

2024年6月10日 18:35
【現役の警察官が解説】相談が急増の『警察官をかたった詐欺』 本物からすると“突っ込みどころ満載” なのに多くの被害が…その手口とは?

中山紗希アナウンサー
「現役の警察官とともに近年増加する特殊詐欺について考えていくコーナーです。解説は、鳥取県警生活安全企画課の波田貴幸 警部補です。波田さんよろしくお願いします」

波田貴幸 警部補
「よろしくお願いします」

中山紗希アナウンサー
「さて、波田さん、今回はどういった詐欺について解説していただけるんでしょうか」

波田貴幸 警部補
「はい、今回は最近相談が増えている『警察官をかたった詐欺』です。実際このような事例がありました」

◇ ◇

これは鳥取県のある男性の元に実際にかかってきた詐欺の電話。

犯人
「恐れ入ります。私のほうがですね、警視庁といって東京都千代田区霞が関にございます、警視庁捜査2課に所属しています○○と申しまして」

警視庁の捜査員と名乗る男からのものでした。

犯人
「今回大規模な事件の内容として、お電話今させていただいている次第なんですけども」

男は事件の捜査に協力するよう求め、その内容について話し始めます。

犯人
「○○県警のほうで主犯格の一人である○○という人物の家宅捜査を行った際に○○さん(電話をとった人)の○○銀行のキャッシュカードの名義が見つかったんですね」

男性
「私○○銀行契約していないのですが」

身に覚えがなく否定する男性。それにもかかわらず男は強引に話を続けます。

犯人
「当然ながら不正に扱われている可能性も十分考えられますので、こちらも視野に入れながら、いま慎重にえん罪とならぬように捜査を進めている状態なんですけども、そちらの対応は可能でしょうか」

男性
「無理ですね。ちょっと信用していないです」

その後、応答はなく、電話を一方的に切られたということです。

◇ ◇

中山紗希アナウンサー
「今お聞きいただいたのは実際の犯人の音声です。その手口は、

①通知不可の電話番号から電話
②警察や警視庁を名乗り被害者が犯罪に関わっていると伝える

ということですが。今回の事案については幸い、お金をだまし取られるといった被害には遭わなかったんですよね」

波田貴幸 警部補
「はい。電話を取った男性が異変に気付いたので防ぐことができました。ただ、ほかの事件では今回のような電話をきっかけに、警察の偽のLINEアカウントへと誘導させ、さらに警察手帳や逮捕状など、偽造した書類の写真を送って相手を信じ込ませるんです」

中山紗希アナウンサー
「このようなことは実際あり得るんですか?」

波田貴幸 警部補
「絶対ありえません。犯人はそれっぽく偽造していますが、私たち警察官からすると突っ込みどころ満載のでたらめの内容です」

中山紗希アナウンサー
「信じ込ませた後というのは、どうなるんでしょうか」

波田貴幸 警部補
「犯人は『あなたが事件に共謀していないか調べるため一度、口座をまとめて指定する口座に預けてください』など誘導しお金をだまし取るんです」

中山紗希アナウンサー
「何も知らない私たちからすると、こうした警察手帳や逮捕状などが送られるとドキッとしますよね。被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか」

波田貴幸 警部補
「まず、通知不可や非通知、プラスからはじまる電話番号からの着信には絶対に出ないでください。そして、警察がLINEアカウントや電話などから捜査の話をすることは絶対にありません。相手にせずすぐに警察に、『#9110』に相談するようにしていただきたいです」

中山紗希アナウンサー
「LINEですと、幅広い方が使っているので注意が必要ですよね」

波田貴幸 警部補
「そうですね、今や特殊詐欺は高齢者の方ではなく、若い世代でも多くの被害が出ています。油断せず警戒していただきたいと思います」

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