【特集】SDGs 生まれ変わる漁業用の浮玉 津軽びいどろ
特集は「SDGs生まれ変わる浮玉」です。使われなくなった浮玉に新しい命が吹き込まれ生まれ変わった商品が持続可能な社会の実現につながる優れた商品として表彰されました。
★廣瀬絢南アナウンサー
「津軽びいどろを製造している青森市にある北洋硝子 かつて作っていたガラス製の浮玉が生まれ変わったんです」
青森市の北洋硝子は1949年に漁業用の浮玉を製造する工場として創業しました。現在はその技術を生かし国の内外で人気を集めている県の伝統工芸品「津軽びいどろ」を製作しています。去年3月から販売を始めたのが「津軽びいどろDOUBLE F-UKIDAMAEDITIONー」。美しい涼しげな青緑色の花瓶や風鈴などはすべて漁業用のガラスの浮玉を100%再利用しています。ガラス製の浮玉は昭和の中頃まで主流でした。現在はプラスチック製が多く不要になったガラス製の浮玉が漁港に積み上げられ放置されたままになっていました。
★北洋硝子 中川洋之 工場長
「漁師さんが廃棄に困っていまして、私たち作る者の責任としてそれを再利用してまた新たな商品に生まれ変わらせたい」
浮玉の素材を生かし新しい製品に生まれ変わらせる「アップサイクル」。中川さんたちの思いを乗せた商品は持続可能な社会の実現につながる優れた商品として「ソーシャルプロダクツ賞」を受賞しました。シリーズの名前「DOUBLE F」は浮き玉に掘られた「北」という漢字を逆さにすると…。ふたつのFが浮かび上がってくることが由来になっています。北洋硝子と同じグループ会社「アデリア」でガラス食器の販売を手がける木下慶二さん、商品の企画・開発に携わっています。この日は試作品の立ち会いで工場を訪れていました。浮玉に新しい命を吹き込む第2弾はお酒を楽しめるようなテーブルウェアの開発に奮闘中です。
★アデリアマーケティング部 木下慶二さん
「より暮らしの中で身近に感じていただけたらなと思っています」
職人さんと話し合い3Dプリンターで作成したグラスを持ち込むなど細かいところまで作り上げていきます。
★アデリアマーケティング部 木下慶二さん
「1番の魅力は浮玉ガラスの青緑色の色合いとよく見ていただくと分かるのですが、表面に気泡もはいっていましてどこか青森の海を思わせるようなものになっておりますので、海に思いをはせていただけるようなきっかけになればなと思っております」
★北洋硝子 中川洋之 工場長
「私たちの大先輩が作った浮玉をこうやってまた再利用できるということは本当にうれしく思いながら社員全員楽しく作っております」
伝統を継承しながら地球に優しく。青森が誇るガラス製品の進化が続いています。