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【解説】“逆風”止まぬ自民党…県内は裏金・女性問題の“空白区”抱え総選挙にらみ県連どうする?(静岡)

2024年7月18日 18:36
【解説】“逆風”止まぬ自民党…県内は裏金・女性問題の“空白区”抱え総選挙にらみ県連どうする?(静岡)

裏金問題などで逆風が止まらない自民党。静岡県内では、衆院選の候補者となる支部長が空席となる選挙区も出ています。いつ総選挙が行われるか分からない中、自民党県連も対応に頭を抱えています。

裏金事件による逆風が続く自民党。選挙でも苦戦が続いています。4月に行われた衆議院の補欠選挙は、東京・島根・長崎の3つの選挙区で全敗すると…。5月の静岡県知事選挙では、推薦した大村さんが敗れ、立憲民主党などが推薦した鈴木知事が当選。7月の東京都知事選挙では、支援した小池知事が勝利したものの、同時に行われた都議会議員の補欠選挙では、擁立した8区で2勝6敗という結果に。9月に控える自民党総裁選を前に、高まる「岸田おろし」の声。自民党のあるベテラン議員は「リーダーの交代は待ったなし」と話し、別のベテラン議員は「古い自民党をぶっ壊す総裁を選ばなければ政権交代になってしまう」と危機感を示しています。総裁選後の「解散」も取り沙汰される中、自民党県連も対応に困っている問題が…。

( 2024年5月8日 塩谷 立 衆院議員)
「悪者のレッテルを貼られているので逆風です」「裏金づくりを画策したり指導したことはありません」

(2024年4月28日 宮沢 博行 前衆院議員 )
「欲を抑えきれなかった、それに負けてしまった、そこは反省し続けなければいけない」

組織的に裏金づくりを行った安倍派の座長を務め、自民党から離党勧告の処分を受け、離党した静岡8区の塩谷立衆院議員。裏金問題に加え“パパ活不倫”疑惑が報道され議員辞職した、静岡3区の宮沢博行前衆院議員。これに伴い、衆院選の候補者となる自民党県連の8区と3区の支部長は、空席となっています。塩谷議員の静岡8区に関して自民党県連は…。

(自民党県連 相坂 摂治 幹事長)
「現職の代議士が…あの…現職の状況にあるということもありますので、支部長の選考は行いますけども、地元の8区の各支部の皆さんともこれから意見交換させていただきながら、今後の進め方を決めていくということになろうかと思う」

支部長の選考方法やスケジュールはいまだ未定。関係者によりますと、この背景には、塩谷議員が無所属で出馬する意向を示していることもあるといいます。

( 2024年5月8日 塩谷 立 衆院議員)
「活動している以上、出る覚悟でやりますが、無所属で出馬ということは大変難しい、厳しい、しかも逆風でありますから、それをいかに乗り越えられるかということですよね」

一方、宮沢氏の辞職で揺れる静岡3区。自民党県連は今週開かれた支部の会議で支部長の選考方法を「公募」とすることを決めました。

(自民党県連 井林 辰憲 会長)
「大変厳しい状況であることは事実だと思っていますが、それでも私ども自民党が掲げる政策や理念を共有して、日本の将来と静岡の将来のために働いていきたいという方が私は必ずいらっしゃると信じているので、そうした方に手を挙げていただきたい」

7月下旬から公募を始め、8月中旬をめどに新たな支部長を決める方針です。公募の条件は、3区内にある12支部のうち、少なくとも1つの支部から「推薦」を受けることとしました。また、全ての支部が、宮沢氏を「推薦」しないことを決めています。

(自民党県連 井林 辰憲 会長)
「宮沢氏とは当選同期なので非常に深い関係があるのは事実だが」「支部の意向を最大限に尊重してその方向で議論を進めたい」

今後の政治活動については「全くの白紙」としている宮沢氏。7月、Daiichi-TVの取材に対しても、今後の動向に関しては回答を避けています。

(スタジオ開設)
(伊藤 薫平 キャスター)
衆院選に向けて自民党の対応が注目されている静岡3区と8区の現状を改めて整理します。

まず、浜松市中央区が選挙区の静岡8区の現職は、前回選で塩谷議員を抑えて当選した立憲民主党の源馬謙太郎議員。次の衆院選には日本維新の会から寺嶋瑞仁さんが出馬を表明しています。
 
裏金問題を受け自民党を離党した塩谷議員は”無所属で出馬”の意向を示していますが、注目は自民党県連が8区に候補者を立てるかどうかです。関係者によりますと、自民党県連内では「塩谷議員が出馬の意向を示している以上、動けない」と二の足を踏んでいる状態だということです。また、塩谷議員の支援者の間では、次の総選挙に無所属で勝利して自民党への「復党」を働き掛ける考えもあるとのことです。

(津川 祥吾 アンカー)
Q、8区の塩谷氏ですが、一般的に、自民党、何らかの不祥事で離党した場合に、無所属で次の衆議院選挙で勝ってきたら、みそぎが済んだという言い方をして、自民党に復党するというのも一つの展開ではありますが、塩谷氏ついては、前回、立憲の源馬氏に負けているということもありますから、その展開は簡単ではありませんね?

(政治ジャーナリスト 元日本テレビ官邸キャップ 青山 和弘さん)
それは、塩谷氏が一番分かっている。だからこそ、自民党が離党勧告を突き付けた時に、塩谷氏は、ものすごく、ある意味、暴れたわけですね。私はスケープゴートだと、何でこんな厳しい処分なんだと。それはやはり比例復活で当選している塩谷氏が、自民党を離党するというのは死刑宣告に等しいということを彼が一番分かっていたからだと思います。ただ、彼は、安倍派の座長ということで、裏金は234万円ということで、比較的少ないということだったのに、離党勧告になった。これは彼にとってみれば非常に悔しいわけですね、座長というのは実質権限はほどんどなかった。自分は裏金問題には関わってないのにという思いがあるんですね。そんな中で今回無所属で出るというので同情票が集まれば、前回勝てなかった選挙でも勝てるかもしれない、ここに、いちるの望みをかけているということだと思いますし、自民党も保守票が割れてもしょうがないので、ここには立てない方針ということだと思います。

(津川 祥吾 アンカー)
同情票ということもありましたが、そもそもこのお裏金問題、明らかになっていない現状に対して、塩谷氏自身が明らかにしなけらばいけないのではないかと?

(政治ジャーナリスト 元日本テレビ官邸キャップ 青山 和弘さん)
まったくその通りだと思います。塩谷氏も、座長は権限がなかったとはいっても安倍派の幹部であったことは間違いないので、裏金問題の実態解明ができていない、その実態解明をしなければいけない幹部のひとりだったことは間違いないわけですね。ただ、やはり塩谷氏としては、これは自分が作ったスキームではないし、実際、会長だったわけでもないので知らないという、結局、そこのところを主張していって、なんとか選挙を乗り切りたいということなので、あとは8区の有権者が、この塩谷氏の態度、姿勢をどう評価するのかということにかかってくるのだろうと思います。

(津川 祥吾 アンカー)
一方で3区は…。

(伊藤 薫平 キャスター)
続いて磐田市、掛川市などが選挙区の静岡3区についてです。現職は前回選で宮沢議員との一騎打ちを制した立憲民主党の小山展弘議員。次の衆院選には日本維新の会からは釜下由佳子さんが出馬を表明しています。

裏金問題とパパ活不倫問題で辞職した宮沢元議員はDaiichi-TVの取材に「今も謝罪行脚中」と話していて、地元のイベントなどに顔を出しています。一方、「今後については白紙」とコメントしていますが、地元関係者は「本人は次の選挙に出たそうだった」と話しています。ただ、後任の支部長を公募で選考する予定で、自民党県連は「宮沢氏は選考対象外」との意向を示しています。また、別の関係者によると、新たな支部長候補として地元県議の名前も挙がっていて、”支部長空席問題”の行く末に注目が集まっています。

(津川 祥吾 アンカー)
Q、青山さん、3区は公募をして新しい候補を出すというのが自民党の方針なんですが、8区と3区は何が違うのですか?
     
(政治ジャーナリスト 元日本テレビ官邸キャップ 青山 和弘さん)
宮沢氏は裏金は140万円あったのですが、裏金の問題で議員辞職したわけではないんですね。パパ活不倫疑惑問題によって議員辞職した、そういう意味では塩谷氏とは違うわけです。そんな中で、宮沢氏本人は実は、自民党の関係者に、出たいと、だから候補者を立てないでくれと、言ってきているんです。ただ、こういった問題で議員辞職した人に対してやはり有権者に説明がつかないということで、自民党は公募するという方針を決めているわけなんです。この公募の中には、実は、前回の知事選に立候補した大村氏を出すべきではないかという声もあったのですが、実は17日の段階で、大村氏は、今回は出馬しないということを自民党に伝えてきているんです。これはやはり宮沢氏が出る、そして大村氏も出るということになると、それこそ保守が割れて小山氏になかなか勝てないのではないかという中で、自重しているのではないかと思うのですが、そんな中で公募、地元の県議の中に有力な候補もいるらしいので、その辺に収れんしてくる、宮沢氏が無所属で出て戦うというような構図になっていくのではないかと思います。