【詳報】リニア中央新幹線静岡工区の予定地を就任後初視察した鈴木知事…現場での様子と語ったことは(静岡)
10日、静岡・鈴木知事は一日をかけてリニア中央新幹線静岡工区の工事予定地を視察しました。知事就任後初めての静岡工区の視察となりましたが、そこで語ったこととは…?
10日夕方、知事が訪れたのは、静岡市葵区の南アルプスにある椹島ヤードです。夕方から降り始めた、雨の中での視察となりました。
(山﨑 幸太 記者)
「こちらが椹島ヤードです。上流部で行われるトンネルの本坑、そちらで湧き出た湧き水は、赤と白のポールの部分まで小さなトンネルでつないで大井川に戻されるということです」
椹島ヤードは、約10キロ北のトンネル本坑などの工事で出た湧き水を、「導水路トンネル」でつないで、大井川へ戻す出口となります。知事は、JR東海の説明に、質問を挟んでいました。
(JR東海の担当者)
「導水路トンネルにつきましては、こういうトンネルボーリングマシンということで、発破ではなく機械で掘ります」
(鈴木知事)
「これは本坑では使わないんですか」
(JR東海の担当者)
「本坑は使いません」
(鈴木知事)
「ほぉ~」
(JR東海の担当者)
「かなり小さいもの」
10日、鈴木知事は、千石・椹島・西俣の3つのヤードを始め、トンネル残土の置き場など計6つの箇所を視察しました。そのうちのひとつは、ツバクロ発生土置き場です。ここに置かれる残土の量は、東京ドーム3杯分に相当し、高さは65メートルになる予定です。
(JR東海の担当者)
「容量としましては、約360万立方メートルの発生土を置くことを計画しています」
これまで県は、周辺で大規模な土砂崩れが発生する恐れがあるなどとして難色を示してきた、課題が残る場所です。このほか視察したのが、「田代ダム」です。田代ダムでは、トンネル工事の一定期間、取水を抑制して、大井川の水量を確保することが考えられていて、検討が進められています。全ての視察を終えた知事は…。
(鈴木知事)
「百聞は一見にしかずではありませんけれども、現場、特に重要な現場をきょう確認をさせていただきましまして、より理解を深めることができた、とても良かったと思います」
また、「懸念」について問われると…。
(鈴木知事)
「説明を受けた中ではほぼ理解はできていると思うので、あとは専門家の皆さまにですね、しっかりご判断をいただくということが必要かと思う」「懸念というかですね、まだまだ課題はあると思っておりますので、懸念ではなく課題はあると認識しております」
一方のJR東海。印象に残った知事との会話は…。
(JR東海 水野 孝則 副社長)
「知事はいくつかご質問されましたが、例えば発生土置き場、藤島とか燕沢のところにおいてご質問がありましたのが、やはり安全性とか安定性についてご質問はありました」
また、記者からはこんな質問も…。
(JR東海 水野 孝則 副社長)
Q川勝前知事との違いは?
「申し訳ないですけど、それはちょっとコメントは控えさせていただきたいと思います。(鈴木知事は)非常に熱心に話を聞いていただいたというところでございます」
「課題がクリアされれば政治的決断を下す」と明言している知事。今回の視察がどれだけ影響するか問われると…。
(鈴木知事)
「これが全てではないので、これから必要があれば現場に来たいと思いますし、(対話が必要な)28項目についてしっかりとスピード感もってJR東海と対話を進めていきたいとあらためて感じた」