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【ご用心】厳しい残暑続く中「収れん火災」の危険性…原因の一つに“車内に置かれたペットボトル”も(静岡)

2024年9月6日 17:29
【ご用心】厳しい残暑続く中「収れん火災」の危険性…原因の一つに“車内に置かれたペットボトル”も(静岡)

この夏、浜松市では車内にあったペットボトルが原因とみられる車両火災が発生しました。厳しい残暑が続く今後も注意が必要という、この火災の危険性を取材しました。

6日、浜松市・天竜で35.3℃の猛暑日を観測するなど、静岡県内のほとんどの地点で30℃を超える真夏日に。

(静岡市葵区で)
「朝は結構すずしいなと思ったんですけど、やはり日中は結構気温が上がって暑いなって感じます」

(静岡市葵区で)
「また真夏がやった来たなという感じです」

まだまだ厳しい残暑が続き強い日差しが降り注ぎそうですが、そんな中、注意が必要なのが…。

炎と黒煙をあげながら燃える車。消防車のサイレンが鳴り響き周囲には心配そうに見守る人たちの姿もあります。消防車が到着したすぐ後には…。何かが破裂したような音も!

火事があったのは7月25日の午後2時ごろ。浜松市中央区花川町の駐車場で、通行人から「車が燃えている」と消防に通報がありました。火は駆け付けた消防隊員によって消し止められましたが、車1台が全焼し、近くに止めていたトラックの一部も焼きました。けが人はいませんでしたが、出火の原因としてあげられているのが…。

(清水 将光 記者)
「車が全焼してしまったこの火災。火災の原因として、このペットボトルが要因の一つに考えられています」

黒く焼け焦げた車…。消防によりますと、当時、火元となった車の中には、水の入ったペットボトルが置かれていたといいます。火災があった7月25日の浜松市中央区は最高気温34℃。一日で最も気温が上がる午後2時ごろに発生しました。出火原因は「調査中」ですが、車内に置かれたペットボトルを通して、日光が1点に集中して発火する「収れん火災」の可能性もあるといいます。

(浜松市消防局 平野 弘晃 火災調査統括監)
「火災の原因については、例えば放火や自然発火するような物質があったか、光が反射して、いわゆる“収れん火災”が発生したかどうかを含めて精査中です」

この「収れん火災」は、どういった状況で発生するのでしょうか。

(浜松市消防局 平野 弘晃 火災調査統括監)
「昔、皆さん理科の実験などでやったことがあると思いますが、レンズで1点に光を集めたら煙が出たとか、例えば半円状のステンレスポールなどで光が反射して1点から煙が出たというのを“収れん”と言って、そのような原因で火災になったものを“収れん火災”と言っています」

実際にレンズを使って燃焼実験を行ってみると…。

(清水 将光 記者)
「光を当てた瞬間から、どんどん温度が上がっていきますね」

(浜松市消防局 平野 弘晃 火災調査統括監)
「そうですね。焦点が合えば、どんどん上がってきます」

(清水 将光 記者)
「100度を超えたくらいで煙が上がってきました」

レンズを通して光を当ててから、わずか10秒ほどで100度を超え、煙が上がりました。

(浜松市消防局 平野 弘晃 火災調査統括監)
「1分以内には160度、170度を超えてくるので、発煙発火の危険はあり得る」

さらに、火元となった車の中にも置かれていた、水の入ったペットボトルで実験を行ってみても、約60度まで温度が上がりました。

「収れん火災」は、レンズ、鏡、ガラス玉水の入ったペットボトルなど光を反射させたり屈折させるものがあり、さらに、そこに可燃物であれば発生する可能性があるということです。

(浜松市消防局 平野 弘晃 火災調査統括監)
「収れん火災は気温が高い夏に多く発生していると思うかもしれないが、実は1年中発生しています。身のまわりを整理整頓して、日の当たるところに反射するものを置かないことを心がけてほしい」

1年を発生する可能性がある「収れん火災」ですが、特に日差しが強い夏は、短時間で発火する危険性があるといいます。厳しい残暑が続くと予想される今後も注意が必要です。

最終更新日:2024年9月30日 15:21