企業トップに聞く…2024年の景気は?(静岡商工会議所・賀詞交歓会)
企業の経営者などが一堂に会する「賀詞交歓会」が静岡市で開かれました。物価高騰が続く中企業のトップはことしの景気をどう見ているのでしょうか。
1月5日 金曜日、静岡商工会議所が開いた新年の賀詞交歓会には約800人が出席しました。物価高騰や円安の影響で今後も個人消費の落ち込みが予想される中企業のトップからはことしの景気についてさまざまな見解が示されました。
(はごろもフーズ 後藤 康雄 会長)
「まだまだ厳しい状況が続くと思う。一昨年来、ウクライナをはじめとする世界情勢が非常に不安定で、そこで為替の円安傾向が非常に急激に現実になったので色々な原料や資材がいわゆるコストプッシュという状況になっている/ことしもまだ影響が残ってくると思う」
(静岡鉄道 川井 敏行社長)
「色々な経済が動いて、うまく回るようになってきたところで色々なところで人手が足りない状況になってくる」「ことしは大きな動きがいくつかあり、例えば総裁選挙であったり、大統領選挙であったり、/色々な政局や平和の状況が非常に流動的になっている中で、浮き沈みが激しい1年になるのではないか」
静岡経済研究所がまとめた県内世帯の消費動向調査では、今後1年間の家計の支出の見通しについて、約半数の人が、家計の支出を「引き締める」と回答。物価高騰により2023年よりも、家計の引き締めが強くなると予想されています。
(静岡銀行 村山 栄之 常務執行役員)
「収入が上がらないとつくるものも高く売れない/所得をどのように上げていくのかが1つのポイント。物はもう安くならない可能性が高いと思うので、どうやってみんなで所得を上げていくのかを考えて、それによって影響が決まってくる」
一方、“新型コロナの5類移行”により、自粛を余儀なくされていたレジャー需要は回復傾向になるなど、消費が活性化する兆しもみられます。2024年は景気の回復に向けて“重要な1年になる”として、企業のトップからは“変革し続けていくことが重要”との声が上がりました。
(鈴与 鈴木 与平 会長)
「いま日本経済そのものが非常に大きなターニングポイントに来ている。このまま物価が上がって、同じように賃金が上がって、いい方向に回り出せば、日本の経済は順調に回復していく。いまその瀬戸際でどっちに行くかという大変重要な時期にきている」
(静岡商工会議所 岸田 裕之 会頭)
「全体の経済としては明るい方向にいくだろうと思っているが」「やはり自ら新しいチャレンジをしていくことが、非常に重要になってきて、それがことし花開くか分からないが、5年後を見たときにことからチャレンジしていく企業はきっと花が咲いてくるのではないか」
また、景気が上向くと人手不足が浮き彫りになるとして、DXやAIなどのさまざまなIT技術を導入し、人材を確保する体制を整えておくことが重要との声も聞かれました。