×

【リニア】JR東海が初めて「住民説明会」開催 住民の疑問にも回答し一定の評価(静岡・島田市)

2025年3月7日 17:53
【リニア】JR東海が初めて「住民説明会」開催 住民の疑問にも回答し一定の評価(静岡・島田市)

(増田大記 記者)
「JR東海による大井川流域住民への初めての説明会が、こちらで開催されます。」

7日、島田市でリニア工事に伴うJR東海の取り組みについて「住民説明会」がメディア非公開で行われました。JR東海によりますと、会場では、大井川の水資源を守るための取り組みなどについて、直接、住民からの質問に答えたということです。

リニア問題をめぐっては、県がJR東海に求めている水資源や環境保全に関する28の対話項目については、5項目の対話が完了。残りの23項目は、引き続き県の専門部会で、協議が進められていますが、依然、静岡工区の着工時期にめどが立っていません。

こうした中、ことし1月に行われた鈴木知事とJR東海の丹羽社長によるトップ会談で大きな進展がありました。丹羽社長が、リニア新幹線の開業後の静岡県へのメリットを初めて示したのです。

(JR東海 丹羽社長)
「静岡と浜松に停車するひかりを、現在は基本のパターンで1時間に1本のところ、 名古屋開業の時点では1時間に2本、これは完全に均等の間隔とは言えませんが、およそ30分に1本にすることをこれを実現したいと考えております。」

このような動きの一方で、流域市町の住民からは、工事による大井川の水資源への影響に対する不安の声が上がっています。2024年11月に行われた流域市町の首長との意見交換会でも、「住民にわかりやすい説明が必要」との意見があったことから、JR東海は先月(2025年2月)、大井川流域8市2町を対象にした「住民説明会」を初めて開催することを発表しました。

(JR東海 丹羽社長)
「今、水資源に関して懸念を抱いている流域の皆様さんもいる。こういった人の懸念を解消していくために大変重要なことと考えている。」

7日午前10時から非公開で行われた住民説明会には、午前中だけでもおよそ50人の地元住民が参加しました。会場では、工事の進捗状況や「田代ダム案」をはじめとした大井川の水資源を守る取り組みなどをパネルや映像で紹介しながら、直接、住民からの説明に応じたということです。

そして、流域市町のひとつ、藤枝市民の津川アンカーも、説明を聞くため会場を訪れました。

説明を受けた参加者が続々と会場から出て来ます。

(参加者 島田市80代)
Q,.説明会の前と印象が変わったことは?
「ありますよ、変わりました。きちんとやっているなと.。今やっているいろいろな検査をきちんと続けてもらいたい、続けていくという説明だったので、少し安心しました」
(参加者 島田市70代)
「水問題はこれからずっと続くことなので、予測不能な事態は出てくる。誠実に対応いただきたい」
(参加した 住民)
「疑問のところはJR東海がどう考えているか親切に答えてもらったかなと思います。やっぱり疑問はいっぱい残っています。山登りが好きで、南アルプスは若い時も行っていて、そこの環境を壊さないでほしいなと。」

「解説が専門的で難しかった」という意見もあったものの、「水問題に関して安心できた」という声が多く聞かれました。

そして、会場から出てきた津川アンカーは…

(津川アンカー)
「きょう説明を受けた印象としては、とても丁寧に説明しようと、質問に答えようとしていただいた。一つ一つ全部の質問に答えていただく。この形式はすごくいろんな方に来ていただいても納得いただくというか、満足できる対応なんじゃないかと。」

今後の説明会の開催日です。次回は明後日(9日)、7日と同じく島田市で開催されます。その他、3月には焼津市、菊川市、牧之原市など、合わせて7市町で開催予定です。

4月のスケジュールです。掛川市、吉田町、袋井市で開催予定です。

いずれの日程も開催時間は午前10時から午後4時で、事前予約は不要で、いつでも入退場が可能です。

          ***  ***

さきほど、リニアの住民説明会の会場に、島田市の染谷絹代市長も訪れ、展示されたパネルなどを見ながらJR東海から直接説明を受けました。

(島田市・染谷絹代市長)
「パネルの1枚1枚が分かりやすく丁寧に作られていると思ったし、色々途中で聞いたが、1人に1人の説明員がついて最後まで案内したということも聞いてたので、不安や不審、そして、水がなくなったらどうするんだという多くの心配を持ってこられた人たちにとっては、多少なりとも疑問を解決できる、そんな場所になったのではないか。」

最終更新日:2025年3月7日 18:07