ウイスキー人気のなか大手飲料メーカー蒸留所に行列!お目当ては全世界6000本限定品…地元PRも(静岡・御殿場市)
国内外でウイスキー人気が高まっていますが、御殿場市にある大手飲料メーカーの蒸留所では、朝から行列ができるほど人気のウイスキーが。また地元をPRする取り組みも進められていました。
6月25日、私たちが訪ねたのは、御殿場市にある、「キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所」。
モルトとグレーン、両方のウイスキーを製造し、仕込みからボトリングまでを一貫して行っています。
(山﨑 幸太 記者)
「富士御殿場蒸溜所に来ています。平日の午前9時前にも関わらず長蛇の列が出来ています」
蒸留所内にあるショップのオープンを前に、100人を超える行列が出来ていました。そのお目当ては…?
(埼玉から来た人)
Q.きょうはどちらから?
「埼玉から」「ウイスキーが好きで限定ウイスキーが欲しくて来ました」
(沼津市から来た人)
「主人が結構(ウイスキー)好きで、主人に頼まれてというのもあって」
お目当ては、「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー富士」の限定品。蒸留所の操業50周年を記念した商品で、全世界で6000本限定。その一部が、ここで販売されたのです。税込み27500円で、1人1本までですが、飛ぶように売れていきます。
(東京から来た人)
「2人で来たので2本買わせていただきました」「楽しみでしょうがないですね、飲んでみるのが味わいとかもちょっとどんなものなのかドキドキしていますけど、家に帰ったお楽しみで、車で来ているので」
限定品を飲むことができるコーナーには、こんな人も…。
(東京から来た人)
「前泊して来ました」「(ウイスキーは)飲み始めてまだ間もない」「飲んで違いを探していくのがすごい好きだったので、ウイスキーにハマってしまいました」
1970年代から2010年代までの原酒をブレンドしたという、限定品のお味は…?
(東京から来た人)
「すごいおいしいです」「すいません、ちょっとうまく言えないんですけど、飲めて本当に良かったです」
国内外でのジャパニーズウイスキー人気。際立っているのが輸出の増加です。国税庁によりますと、日本産の酒の輸出額は2021年に初めて1000億円を超え、22年は1392億円にのぼりました。そのうちウイスキーは561億円と最も多くを占めているのです。ブームに乗っての新規参入も多い中、富士御殿場蒸溜所の歴史は半世紀。苦しい時期もあったといいます。
( キリンディスティラリー 吉井 浩一さん)
「税制改革とかいろいろなカテゴリーの飲み物がでてきて、ウイスキーが低迷した時期もあった」「だけれども、この蒸留所を畳まずになんとかもってですね、いま脚光を浴びてまた新たな挑戦ができるようになったので、いますごくいい時かなと思う」
この日、蒸留所の内部を特別に案内してもらうと…。
( キリンディスティラリー 吉井 浩一さん)
「検定年月日が48って書いてありますけど、これは昭和48年1973年の11月5日、そこから変わらないケトルという蒸留器です」
操業開始時から使われてきた設備も多い一方で、近年、新しくしたものも…。
( キリンディスティラリー 吉井 浩一さん)
「この右側の大きなポットスチル初留釜なんですけども」「2023年6月に蒸留を開始しています」
また、樽詰めされた原酒の熟成庫も、昔からある建物の内部は歴史を感じますが…。3年前に建てられた新たな熟成庫は、全てが機械式になりました。
( キリンディスティラリー 吉井 浩一さん)
「ジャパニーズウイスキーの評価が高いので、国内市場だけでなく海外でも流通ができると」「いまがピークかなと、ほかに負けないジャパニーズウイスキーをもっと盛り上げていこうという中で」「それだけお金を費やして投資してやっていこうと」
そんな「富士御殿場蒸溜所」が2023年から始めたのが、御殿場市内にある休耕田の活用です。休耕田で大麦を育て、御殿場産大麦100%使用のウイスキーを作り始めていて、御殿場の魅力を世界へ発信したいといいます。また、JR御殿場駅前に設置されていたのは、約50年使われた蒸留器。新しくした蒸留器の前に使われていたもので、2023年、市に寄贈されました。
(御殿場市商工振興課 北村 和也さん)
「御殿場に来訪する人に話を聞くと、ポットスチル(蒸留器)があることによって、あっ御殿場ってこういうこともあるんだ魅力があるんだと、お話がありました」「御殿場の水富士山の伏流水という恵みをもって、御殿場というのは成り立っていますので」「モニュメント的な効果を非常に感じている」
ウイスキー人気が、今後、御殿場のPRにもつながるかもしれません。