なぜ静岡ばかり暑い?松浦気象予報士が解説
なぜ静岡ばかり暑いという状況になったのか、気象予報士の松浦さんに解説してもらいます。
(松浦悠真 気象予報士)
大変な暑さとなりました。8日も暑くて、さきほどようやく35℃を切ったところですがまだ生ぬるい風が吹いています。
この静岡の猛暑がなぜなのか、そして今後の見通しを詳しくお伝えしていきます。
まず7日はかなり強い暖気が入ってきていました。上空1500Ⅿ付近の7日午後9時の天気図です。一番色の濃い部分は24℃以上。観測地点がある茨城の館野や八丈島では25.2℃や28℃という数字が観測されました。いずれも観測史上最高の気温。つまり、記録的な暖気に覆われたことが高温に結びついたと。
こういう強い暖気が入ってくると、40℃超える地点は静岡でなく関東のイメージがあるかもしれません。実際これまでの例でみていきますと、岐阜県ですとか埼玉・熊谷。こういったところが40℃を超えやすいのですけれども。2020年の浜松の時もそうだったのですが、海に近いのに40℃超えるのは非常に珍しいことなのです。これには静岡県特有の地形が今回は強く影響したというふうにみています。
まずは風です。ちょうど40℃に達したころの風の分布をみます。静岡は南西の風が吹いています。陸の温まった空気がずっと入り続ける、熱風が入ってきたわけなのですね。静岡のお隣の静岡市清水区は北東の風になっていて、ここで温かい空気がストップしている。ですから静岡市駿河区に温かい空気がたまってしまったということがあります。
あともう一つ、こわいのはフェーン現象ですね。今回の40℃は梅雨”なのに”ではなく梅雨”だから”ということも言えそうなのです。それは、夏だと高気圧に覆われて上空の風が弱いのですが、今回まだ梅雨のさなかで梅雨前線が北にあるので、前線と高気圧の間で風が強まりやすかった。強い風になればなるほどフェーン現象が強く働くので、今回の高温に結びついたのではないかとみています。
今後の見通しですが、10日にかけてはそういうフェーン現象なども働きやすい状況にありますので、厳しい暑さが続きそうです。10日まで、朝の気温もなかなか下がらないということで、夜間の熱中症にも警戒してください。