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【解説】南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意 終了までの1週間で見えてきた課題は(静岡)

2024年8月16日 18:27
【解説】南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意 終了までの1週間で見えてきた課題は(静岡)

ここからは静岡大学防災総合センター岩田孝仁特任教授に伺います。岩田さんは内閣府の中央防災会議で南海トラフ臨時情報について検討してきた方でもあります。

■「南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意」とは?
(伊藤キャスター)
Q.8日に出された「巨大地震注意」という情報、初めて聞いた、という方も多いようでした。あらためて、出された経緯と終了した理由について。

(岩田教授)
8日に宮崎県沖で起きた場所がフィリピン海プレート境界だったため、この震源域内のさらなる大きな地震につながる可能性が高まったために出された。

Q.1週間で終了した理由は?
1週間何もなければ終了するというルールになっている。背景には、受容できるのが1週間程度、という社会的要請によるもの。

■大地震の発生確率はどうなった?
Q.「巨大地震注意」が終了して、今後の地震発生の確率はどうなった、と言えるのでしょうか?

(岩田教授)
もともとこの地域は、今後30年以内に巨大地震が発生する確率は70%から80%と高い。その状態に戻るというだけのこと。それでも十分高いリスクある。

■「巨大地震注意」1週間の評価と課題
・「真剣に取り組めたのか」
(岩田教授)
対応が極端に分かれた。政府の発表が、「普段通りの生活を続けて」とあったが、それだけを受け止めて、何もしなかった人がいる。一方、買いだめしたり、点検したりした人もいた。
ライフセーバーを確保できない海水浴場は1週間閉鎖、一方、安全確保ができている海水浴場は普段通り開いている。そうした冷静な判断ができたのは評価できる。

・「お盆で企業・施設の対応が見えなかった」
お盆休み期間中で企業や施設など休業中だったが、対応を考えたのだろうが、実際の行動まで結びつかなかったのではないか。課題として再検証してほしい。

・「備えは普段からやっておくべき」
この機会に水を買いに行くなど、仕方ない部分もあるが、本来なら普段から用意しておくべきこと。今回の情報をきっかけに、不備に気づいてもらったことは、プラスにとらえてもいい。

■今後の過ごし方
・「ハザードマップの確認を習慣に」
(岩田教授)
お盆期間で旅行に出かけたり帰省したりした先が、安全なところかどうか、考えた人が多いと思う。その際、ハザードマップを確認した上で、安全な行動ができるかどうか考える。これは、今回だけでなく、日常生活をする上での習慣としてほしい。日本はどこにいても地震災害があるので。

・「住宅の耐震化 家具の固定」
これは、もはや当たり前。身の回りの安全確保、備蓄は基本。

・「企業・学校・施設の安全対策を見直し」
社会福祉施設で、津波避難をするかしないか悩んだところもあるという。それは、この1週間だけの問題ではなく、今後ずっと考えていかなければならない話。行政も交えて再検証しないといけない。