深刻なドライバー不足 カメラで安全確認 除雪車を1人で運用 過去最大の雪対策予算 札幌市
今年度の札幌市の雪対策予算は264億円と過去最大で、市民生活を守るための除雪体制の強化のほか、人手不足解消もポイントとなっています。
(鷲見記者)「札幌市の除雪機置き場です。ここには30台ほどが並んでいて、すでにスタンバイは完了しているということです」
雪や氷をはがしながら除雪する「除雪グレーダ」です。
出番を待つこの除雪車ですがー
(北海道ロードメンテナンス 笠井秀隆工務係長)「今まで2人で安全確認していたものが、センサーやカメラ設置に伴い1人でも運転可能なものに切り替わっている」
除雪車の後ろなどにはカメラが3台設置され、運転席にあるモニターに映し出される仕組みです。
さらに、人が横切るとセンサーが感知しブザーが鳴るため、安全に除雪をすすめることができるということです。
通常、除雪車はまわりに人がいないか安全確認するため運転席に2人が乗車し、除雪作業を行います。
深刻なドライバー不足をうけ札幌市は、昨年度までに除雪車175台の“1人乗り化”の整備を完了したということです。
(作業員)「視認性がよくなったので1人でも確認しやすい」
ここ数年、札幌市はドカ雪に見舞われ、道路で車が立ち往生するなど大きな影響が出ています。
そこで市は今年度、市民生活を守るため、去年よりも46億円多い264億円の雪対策予算を計上しました。
これは過去最大です。
(札幌市雪対策室 井上実課長)「燃料費や物価が上がると作業にかかるお金も増えるので。効率化を図って予算の増大を抑えながら進めていきたい」
札幌市西区の雪の捨て場も、本格的な冬を前に受け入れ準備が進められていました。
これだけ広い雪捨て場ですが、使用できる期間はというとー
(丸洋鈴木組 菅原達雄常務)「大体1か月半くらいですね」
このため札幌市は今シーズン、雪捨て場を80か所から82か所に増やすことにしました。
さらに中心部などのバス停周辺の除排雪の対策強化も打ち出しています。
(秋元市長)「当初予算で予算化をした。前倒しで排雪するなど万全な対策をしっかり取りたい」
雪による市民生活の混乱は避けられるか。
効率化も求められる中、札幌市の万全な除雪態勢の構築が求められています。