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遺族「厳正に処罰されるべき」飲酒運転で大学院生死亡 逮捕の男性を処分保留で釈放 北海道

2024年10月11日 18:48
遺族「厳正に処罰されるべき」飲酒運転で大学院生死亡 逮捕の男性を処分保留で釈放 北海道

9月22日に北海道小樽市で飲酒運転の車が乗用車と正面衝突し1人が死亡した事故で、札幌地検は10月11日、過失運転致死と酒気帯び運転の疑いで逮捕・送検していた男性を処分保留で釈放しました。

(呼びかけ)「飲酒運転根絶の啓発をしています」

チラシなどを配ったり「飲酒運転撲滅」と書かれた旗を掲げて、ドライバーに飲酒運転の根絶を呼びかける警察官と道の職員たち。

飲酒運転根絶を目指して11日、小樽市で啓発活動が実施された背景には、9月に起きた痛ましい事故がありました。

9月22日、小樽市銭函の国道で酒気帯びの状態で男性が運転していた車と対向車が衝突し、札幌市の大学院生・田中友規さん24歳が死亡しました。

男性は過失運転致死と酒気帯び運転の疑いで逮捕・送検されていましたが、札幌地検は勾留期限となった11日付けで処分保留で釈放しました。

元検事の弁護士は、今回の札幌地検の判断は、危険運転での起訴を目指したい方針の表れだとみています。

(シティ総合法律事務所 中村浩士弁護士)「感覚的には危険運転で起訴しないのはおかしい事件だと思うんですよね。過失でというのは違和感しかない。危険運転致死が難しいという判断になるのであれば、過失運転致死を目指せばいいだけの話で、時間がかからないと思う。処分保留というのは、在宅捜査で危険運転致死での起訴を目指していると考えるのが自然」

札幌地検は処分保留の理由については明らかにしておらず、今後は在宅のまま捜査が続けられることになります。

死亡した札幌市の大学院生・田中友規さんの父親はコメントを発表しました。

「息子はとても優しく、世話好きで親孝行な子でした。日々大学院での実験に明け暮れながら、その知識をいかせる就職先への道筋を見つけ、明るい未来が開き始めていたところでした。理不尽な今回の事故でその命が絶たれました。いまだに私たち家族は現実を受け止めることができません。今回の事件は、二度と繰り返されることのないように社会的に厳正に処罰されるべき事件だと思います。本日被疑者が釈放されたのも、あるべき処分に向けて時間をかけて捜査を行うためと理解しています。捜査機関の皆様には、引き続き必要な捜査を尽くしていただきたいと思います」